ふたりのカタチ《Kei.I》

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今日も鈴木さんとデート。



どこに行くのかな〜とワクワクドキドキ♡しながら鈴木さんを待つ。





アヤが言っていたように、確かに伊野尾と会う機会がぐんっと減った。



伊野尾と連絡を取っていても、

大体その日は鈴木さんとの予定が入ってることが多い。


A何度も断ってごめん、次こそ行こう。



そう、LINEを送れば、



慧しょーがないじゃん。楽しんできて〜



いつものユルユルな返事が返ってくる。





さすがに断り続けてて申し訳ないな…って思っていたら、




啓介「Aちゃん、おまたせ！」




手を振りながらこっちに向かってきた。





「鈴木さん！お疲れさまです」




急いで走って来てくれたからか、

前髪がピョコンと跳ねていてかわいい。





啓介「Aちゃん…」




でも、なんでか鈴木さんは、ぷくーっと頬を膨らませて拗ねている。




「どうしたんですか？」


啓介「呼び方が…」


「呼び方…？」


啓介「名字じゃなくて名前で呼んでほしいな、って思って…」






それは少し前から気づいてた。




鈴木さんは あたしのことを “ Aちゃん ” と呼んでくれるけど。


あたしは一度も下の名前で呼んだことがない。




そりゃあ、あたしだって呼びたい。


でも、恥ずかしくて呼べなくて。





啓介「ゆっくりでいいから、ね？」





いつも彼はあたしのペースに合わせてくれる。



本当にいつも優しくて、大切にされていると感じる。





「……啓介、さん…」




うわぁ…はずかしい…


いい大人が名前呼ぶだけでなに照れてんだ。って言われそうだけど。





啓介「やっばい、ちょー嬉しい」





そう言って頬を赤らめながら、ぎゅーっと抱きしめてくれる。



こんなに喜んでくれるならもっと早く言えばよかったな。




啓介「へへっ、俺しあわせだ〜！」





耳まで赤い啓介さんの横顔。



…あたし、幸せすぎて今なら空も飛べる気がする。


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