ふたりのカタチ《Kei.I》

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フワリとまだ残っているリサコちゃんのお花の香り。




それがあたしの心をどうしてもイライラさせる。






「…本当すみません！」






あたしのせいで楽しい時間を壊してしまった…






啓介「Aさんは何も悪くないじゃないですか(笑)」






『気にしないでください』と笑う鈴木さん。



萎んでいた心が彼の笑顔にキュンと音を立てる。






啓介「…あの、気づきました？」






チラリとこっちを見て恥ずかしそうにしている彼。






「え？何をですか？」


啓介「やっぱり気づいてなかったか(笑)」






あたしの反応を見て、ふはっと笑う。




えぇ…なんか言ってたっけ？



キョトンとしているあたしを見てニコニコする鈴木さん。




あぁ、やっぱり笑顔が爽やかでカッコいいなぁ…






啓介「もう気づいてるかもしれないんですけど…」






ポリポリと頭をかいて、頬を赤らめている。






啓介「僕、Aさんのことが好きです」



「…っ！？」







突然の出来事で飲んでいたビールを吹き出しそうになった。






えええええええ！！！？？？


あたしのどこをですか！！？？




だって、キレーイな女の人なんて世の中いっぱいいるよ！？


むしろ、鈴木さんなら女性選びたい放題の立場でしょう！？



みんなが羨む立場にいるのに！？


なんでこんなオッサン女子を！？





あたしのポカーンとした顔がツボだったのか、

クスクス笑ってる鈴木さん。




いやいやいや…！！！！

普通こうなるわ！！！！！






啓介「Aさんの表情豊かなところとか、明るい性格に特に惹かれて…」






フゥ…と小さく息を吐いてか、真っ直ぐこっちを見て言った。






啓介「僕と付き合っていただけませんか？」


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