ふたりのカタチ《Kei.I》

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リサコ「すみません、あたし空気読めなくて…」






わざと言ったくせによく言うよ…



もう怒りを通り越して呆れるわ…笑






「大丈夫です…笑」と苦笑いのあたしを見て、

キュッと口角を上げたリサコちゃん。







これで、勝ったつもりだろうか。



前から溜まっていた鬱憤は晴れたのかな。





可哀想な子だと思った。


こういう風にしか自分の恨みを返せないのか。




バカじゃないの。と言いたかったけれど、

それを口に出して相手にする時間が勿体ないと思った。






何も言わないあたしたちの空気を割るように、

鈴木さんが口を開いた。






啓介「佐々木さん…でしたっけ？」






ハイ、そうです♡と、リサコちゃんが目をウルウルさせながら返事をする。






啓介「僕たちは付き合っていないから、お互いの相手のことを言える立場じゃないよ(笑)」






その鈴木さんの言葉に、リサコちゃんの笑顔が固まった。






啓介「僕は付き合いたいって思ってるんだけどね…笑」






チラリとあたしを見て、鼻をこする鈴木さん。




急な鈴木さんからの告白に、ドキリとする。





え？え？え？と、あたしの頭が追いついていかないうちに

鈴木さんがジッとリサコちゃんのことを見た。






啓介「君が何をしたいのかわからないけど、」





啓介「Aさんを傷つけるなら、僕は許さないよ？」






鈴木さんがニコリと笑う。







リサコ「あたしは別に何も…」







引きつった笑顔を見せるリサコちゃんに鈴木さんが、さらに追い討ちをかけた。






啓介「じゃあ、申し訳ないんだけど僕はAさんと２人でゆっくり飲みたいんだよね」






鈴木さんの笑顔は崩れない。




ずっと笑ってる。




でも、その笑顔がどこか怖くて。




それに怖じ気づいたリサコちゃんは、

「…じゃあ、また」と言い残して そそくさと帰って行った。


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