ふたりのカタチ《Kei.I》

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「……リサコちゃん…」



リサコ「Aさん、こんばんは〜」






振り返るとニコニコと笑いながら立っているリサコちゃん。




今日もふわりと香るお花のコロンをつけて、

女の子らしい服装に ばっちりメイク。





なんだか…

今は会いたくなかったなぁ…






啓介「Aさん…？」






鈴木さんが、誰ですか？と聞きたそうな顔をしている。




それをすぐに察したリサコちゃんがピンクの唇を開いた。





リサコ「佐々木リサコです！Aさんとはお友達で〜！」






友達！？！？


いつからやねん！！！





まぁ確かに鈴木さん、イケメンだもんね…



リサコちゃんが目をつけるのもわかる。




でも、鈴木さんはちょっと引き気味で、どうも。と簡単に挨拶しただけ。





自分に何も反応してくれなかったのが悔しかったのか、

あれ？なんて言いながら あたしに聞いてきた。






リサコ「今日は伊野尾さんと一緒じゃないんですか？」






あぁ…やっぱりこういう子か。




すぐに わざとだとわかった。






啓介「伊野尾さん？」






鈴木さんに伊野尾のことを話していなかったから、

不思議そうな顔をしてあたしのことを見ている。






リサコ「あれっ？知らないんですか？」






わざとらしく、大きな声で言うリサコちゃん。






…本当に余計なことをしてくれたなぁ。




別に鈴木さんと付き合ってるわけでもないし、

伊野尾とあたしのことをとやかく言われる筋合いはないけれど。





前の鬱憤を晴らそうとしているのか。



イヤミたらしく話して、

鈴木さんとあたしの関係を壊そうとしているリサコちゃんに無性に腹が立った。






リサコ「ごめんなさい、わたし何か余計なこと言っちゃいました？」






さっさと どっか行けばいいのに。



この子はオトコのことしか考えていないのか。



オトコに媚びるオンナに吐き気がする。


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