ふたりのカタチ《Kei.I》

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慧「俺らは３人で楽しく飲んでるからさ、」







ニコニコといつも通り “ 笑顔 ” を見せる伊野尾。







慧「そろそろアッチ戻った方がいいんじゃん？」






ピッと自分たちがさっきまでいた席の方向を指差す。






リサコ「じゃあ、伊野尾さんも一緒に戻りましょうよ〜笑」






ぐいぐいと伊野尾の腕を引っ張って立ち上がらせようとする。






リサコちゃんはさっきの伊野尾の言葉が冗談だって思ってるみたい。





伊野尾が笑ったから和んだように見えるけど、

この顔は本気で怒ってる顔だ。







慧「あとさ、俺 他の人が口つけたやついらないから持ってって食っていいよ」






そう言いながら、伊野尾は あたしがさっきまで食べていたユッケを食べた。






それを見たリサコちゃんはピクッと眉をしかめる。





自分よりレベルの低い女が大好きな伊野尾と仲が良いのが気にくわないのか、


その女の食べたユッケを伊野尾がフツーに食べたのが気にくわないのか、




とにかくあたしの存在が気にくわないみたいで。





さっきまで張り付いていた笑顔が剥がれ落ちて、

あたしのことをただじっと睨み続けていた。






別に良いけどね。



こんなこと、伊野尾に付きまとわれたら嫌でも慣れるから。






ずーっと昔から「あんたは伊野尾くんの何なの」と言われ続けてきた。



「ただの腐れ縁です」としか、言いようがない。






リサコ「お先に失礼します」






そう言い残して、リサコちゃんは席を立った。





誰も返事しないことにムッと腹を立てたみたいだけど、

それでも、伊野尾には最後ニコッと笑って

リサコちゃんは帰って行った。


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