ふたりのカタチ《Kei.I》

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慧「…まじでさ、佐々木 空気読めない？」






伊野尾があたしのレバーを食べながら、低い声で言った。






リサコ「えぇ〜なんでですかぁ？」






キョトンと首を傾げるリサコちゃん。





なんでってすごいな！！！


考えりゃあ、わかるだろ！！！





アヤがリサコちゃんを見て、チッ！とさっきより大きめに舌打ちするけど、

それをニコニコと聞こえていないフリをして ピンク色のお酒を飲む。





いやぁぁぁぁ！！！！

もう誰か助けてえええええええ！！！！！





「いらっしゃいませー！」と さっきからあたし達の横を通る店員さんを見ても、全く気づいてもらえず。





はぁ…とため息をつくのを飲み込むように、ビールを喉に通す。




伊野尾が持つレバーの串を奪い取って それを食べていたら、

また横から伊野尾に奪われた。






「返せ！あたしのレバー！」






どんなに大きな声で言っても、伊野尾はスルーしてパクパクと食べ続ける。




くっそう…と思ってたら、最後に伊野尾が残したカスみたいな小さなレバーを口に突っ込まれた。





今さら、『きゃっ！間接キッス♡』なんてキャピキャピしない。





あたしと伊野尾にとってはフツーのこと。





けど、リサコちゃんはそんなあたし達を見て、

顔をピクッと引きつらせる。






最初から眼中に入っていなかった女が

当たり前のように自分の意中の人とレバーを交換(奪い合いとも言う)してるのが気にくわないのか、




伊野尾の前に置いてあったエイヒレをパクリと小さな口を開けて食べた。





リサコちゃんが「わぁ、これ美味しいですね！」と言った瞬間、






慧「本当にさ、いい加減にしてくれない？」






この伊野尾の一言で、リサコちゃんの笑顔が固まった。


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