ふたりのカタチ《Kei.I》

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啓介「Aさん！お疲れさまです。」




わざわざ、あたしの会社の前まで迎えにてくれた鈴木さん。






おととい、家で呑んでいたら突然ピコン！とLINEがやってきた。





啓介明後日の夜はあいてますか?
Aあいてます!
啓介その日、夜ご飯一緒にどうですか?
啓介お茶って言ってたんですけど、なかなかお昼は時間がなくて…
Aわかりました!大丈夫です!たのしみにしてます。





急きょ、決まった約束。


結局、『これ以上の出費はムリだぁぁぁ！』と、アヤに頼み込んで、

「キレイに使ってよ！」と嫌々この服を借してくれた。





啓介「その服、素敵ですね。似合ってます」


「えぇ…そうですか？ありがとうございます(笑)」




お礼を言いながら「あはは〜」と笑ってみたけど。


『友達(アヤ)に借りた服です〜』なんて口が裂けても言えない。






啓介「Aさん、お酒好きですか？」





どうする！？

「だーーいすきです！」って言っちゃう！？



こういう時は首をかしげるのがモテテクだって何かの雑誌で見た！




「恥ずかしながら…大好きです(笑)」




コテン、と首を傾けて笑ってみる。


けど、角度がこれでいいのかわからない。



伊野尾が「なにしてんの。」って小馬鹿にしてる顔が浮かんで。

もうやめようってすぐにモテテクは諦めた。




啓介「よかった〜普段は車なんですけど、今日はなんだか呑みたくて(笑)」




少し照れながら笑った顔が爽やかで。




啓介「僕、好きですよ？お酒飲める女の人。」




あぁ…この人ズルい。


このタイミングでこういうこと言って、

この笑顔でスッと心に入ってくる。


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