あいことば。〜短編集〜【ハイキュー】【黒子のバスケ】

さよならを言う、その前に。【及川 徹】 ページ6

君は俺を置いて行くの？【及川 徹】の及川さんの彼女さん目線の話です。
それでは、どうぞ。



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幸せとは、唐突に終わりを告げるモノだ。


自分が世界で一番の幸せ者だと錯覚したとき、

意図も簡単に、人生は暗転する。


まだ観ぬ未来に胸を高鳴らせたあの日、

自分の未来は存在しない、幻であったことを理解した＿＿。


凡人と、天才。

奪われる者と、奪う者。

あたし達の間には、明確な差があった筈だけど、
運命が巡り巡って、一つの未来に辿り着く。


まだ、子供でしかなかった高校生のとき。

絶望で埋め尽くされた君と出逢った。

手が届くことのない領域を、追い求めて、逃げ出して。

それでも、もう一度夢を見る。


主人公にはなれなかった、天才でも何者でもない、君に。


友達の彼女の親友と、友達の彼氏の相棒と。


あたし達は、交わる筈の無い未来に『夢』を描いて追いすがって。

きっと、『罰』が当たったんだよ。

来る筈のない未来を願った『罰』。


いつか結婚して、子供を産んで、

2人で一緒に生きていこうって、

漠然と思い描いていた未来。




さよならを言うこともなく、君との日々は終わりを告げた。

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