＃竜の願い...100 ページ9
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「どうすればいいか―――か。hum,中々に難しい質問だな」
言ったきり、公は口をつぐんだ。
...公は、私がやられたところを見ていたのだろうか。
「派手にやられたらしいじゃねェか」と彼は言った。
直接は見ていないが、―――知ってはいる。
とすれば、結構恥ずかしい。
元主に、無様な姿を晒してしまったようだ。
...ともあれ。
これからどうすればいいか。
我ながら難題である。
まるで他人事のように接してはいるが、...何せ、存在意義そのものを否定されたのだ。
(私は、必要なかった)
例え、そんな類いの言葉をほざいていたのが敵軍の大太刀だったとしても。
ダメージは、それなりにある訳で。
己そのものが、「歴史の歪み」だったと言われれば。
...そりゃあ、動揺しないはずもなくて。
自分の立っていた世界が、音を立てて壊れていくような。
―――大太刀に貫かれる寸前、そんな感覚に陥っていたのを今更ながら思い出す。
『己を否定されるのが、これほどまでに堪えるとは思ってなくて、』
「......」
内心、苦笑している自分がいた。
たかが敵の戯言だろう、と。
そんなものを真に受けてどうする、と。
けど、今この瞬間、"蒼天竜景秀"を形作っている神格――つまり"私"は――、
他者に否定されることを何よりも恐れる、一人の無力な付喪神だった。
「俺がお前だったら、俺はそうは思わねェな」
『！』
どれくらい時が経過したか知れない。
悠久の時間――ようやく、公は口を開いた。
一点を見つめたまま。
その瞳に、確かな光を宿らせて。
「他者に否定される。それがどれだけ辛いかは俺も知ってる。俺に存在意義なんかありゃしねェ、生きてたって意味がないと――そう思った時期も確かにあった」
『......』
「けどそりゃあただの独りよがりだ。そう気づかせてくれたヤツがいた」
公の視線の先には、...剣を交える二つの人影。
ゆっくりと息を吐いて、公はこちらに向き直った。
「良いか蒼天竜？世界がどう思おうとこっちには何一つ関係ねェんだよ。俺がどう思うか。お前がどう思うかだ。他人に散々コケにされて、そのままで良いと思ってんのかお前は？」
『っ、...それは、』
「いいや違うな。良いはずがない。まず何よりもそんなことは俺が許さねェ。認めさせてやれよ蒼天竜。"私は天下の独眼竜、伊達政宗の刀だったんだ"ってよ」
『！』
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＊紫苑＊(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 一年半近くもお待たせしてしまい本当に申し訳ありませんでした……！更新はさせていただきます、大倶利伽羅と蒼天竜の道の果てをどうぞもう少しだけ見守ってあげてください！ (2022年1月7日 13時) (
レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - 鳴瀬さん» お久しぶりです！大変長らくお待たせしました……！確認したところ下書き中では完結となっていましたので、ここから整理して一気に放出してしまおうと考えています！もうしばらくお待ちくださいね…！ (2022年1月7日 13時) (レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - さ、さ、作者様？？？“終わり”になってますが続きは無いのでしょうか・・・？（泣） (2020年10月13日 20時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、ありがとうございます。続き、楽しみにしています。 (2020年5月13日 20時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 最後まで、楽しみます。なので、体調に気を付けて頑張ってください。拗れに拗れているけど、そこが面白いです。伊達組、最高です。 (2020年4月23日 11時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2019年10月19日 21時
