＃Dragon eyes…138 ページ47
・
―――お前は、それでいいのか。
..."それでいい"って、何が？
敵に無様にやられたまま、...床に這いつくばるのがお前の最期なのか。
...床に、這いつくばる...。それは嫌だな、蒼竜の最期にはふさわしくない。
なら、立て。今すぐ、己の足で。
...でも――。もうぼろぼろだ。まだ戦えるかな？今の、私で？
戦える戦えないの話じゃ無いだろう。――戦え、蒼。
戦わなければそこで死ぬだけだ。野垂れ死には俺が許さない。
お前の物語はここまでか?"ここで、終わりか?"
――嫌だ。違う。
こんなところで、終わりたくない。終わらせない。
"私の物語"はまだ、完成していない。
完成させるまで、死ねない。
「立てッ!!己の手で刀を握れ!そして戦え!蒼!」
部屋全体を揺らす大音声。
その言葉と同時。
ダンッ！！と床を蹴った。
大丈夫だ。大丈夫だ。
まだ死んでない。私は、生きている。
息をしている。意識がある。――刀を握っている。
まだ諦めるな。戦え。己を、振るえ。
私の命を繋いでくれた"彼"の、隣へ。
『来て、...くれたんだ』
「お前みたいな無鉄砲な刀を放っておけるほど、俺は能天気な奴じゃないんでね」
『...そっか』
まだ、敵は残っている。
彼が――大倶利伽羅が仕留め切れなかった分が、まだ。
あぁ、でもそうか。そっか。
敵はまだ残っているのに、...お前が隣に居るだけで、こんなにも安心するのは。
伽羅の横顔を見ながら、思う。
(本当に、好きなんだなぁ)
こんなにも、力が湧いてくる。
どこから出てくるか、とんと見当がつかないような、...強い力。
『...ありがと』
「礼には及ばない。俺は俺のしたいようにしただけだからな」
『ははっ、伽羅らしいや。で？私を助けてからはどうするつもりだったんだ』
「...決まっているだろう」
――奴等を屠る。
ちらりと、横目で伽羅がこちらを見た。
視線が、私の顔から、身体へ。...そして、一番深い傷を負った、腕へ。
「お前をそんな姿にしたんだ。...ただじゃおかない」
小さな声に宿った確かな怒気は、時間遡行軍に向けられたもの。
その声音に、気合が入った。
『やられっぱなしじゃ気が済まない、ってな。もうひと踏ん張り――やるか！』
「あぁ。...行くぞ！」
二人なら――二匹の、竜なら。
何処へでも、飛べる。
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＊紫苑＊(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 一年半近くもお待たせしてしまい本当に申し訳ありませんでした……！更新はさせていただきます、大倶利伽羅と蒼天竜の道の果てをどうぞもう少しだけ見守ってあげてください！ (2022年1月7日 13時) (
レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - 鳴瀬さん» お久しぶりです！大変長らくお待たせしました……！確認したところ下書き中では完結となっていましたので、ここから整理して一気に放出してしまおうと考えています！もうしばらくお待ちくださいね…！ (2022年1月7日 13時) (レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - さ、さ、作者様？？？“終わり”になってますが続きは無いのでしょうか・・・？（泣） (2020年10月13日 20時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、ありがとうございます。続き、楽しみにしています。 (2020年5月13日 20時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 最後まで、楽しみます。なので、体調に気を付けて頑張ってください。拗れに拗れているけど、そこが面白いです。伊達組、最高です。 (2020年4月23日 11時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2019年10月19日 21時
