＃Dragon eyes…136 ページ45
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『...っ...くそっ...！』
今日一日で何度この道を行き来したか、もう分からなくなっていた。
動悸が酷い。呼吸するのもやっとで、松永にやられた右腕も、燃えるように痛む。
もう、右手で刀を握る事は出来ないだろう。
利き手ではない左手のみで、戦わなくてはならなくなった。
(面倒なことを...っ！！)
負ってしまった傷は、もう塞がらない。
これ以上、傷を作らないように。
これ以上、追い詰められないように。
あの部屋へ。
あの二振りが在る部屋へ。――早く。速く。
胸騒ぎと嫌な予感。
二つの恐怖に苛立ちながらも、全速力で階段を駆け上がる。
自分が今いる螺旋階段が、延々に続いているかのように思えてくる。
『...くぅっ...！！』
確か、次だ。
次の踊り場で、部屋の扉が見える。
三、二、――一。
(見えた！)
ダンッ！！
...勢いよく床を蹴り、私は部屋になだれ込んだ。
「「「...！？」」」
暗闇の中、爛々と光る紅が、少なくとも計八個。
やはりか。
気配は薄々感じていたが、...間に合ってよかった。
ぎょろりと動いた目玉が、一斉にこちらの姿を捉えた。
その視線が、動揺と焦燥に揺れている。
「何故足止めを食らっているはずの蒼天竜が、この場に居るのか」――。
大方、そんなところだろうが。
『まだ...っ、この世から消える気は、毛頭、ないんでねッ！！』
動揺しているのはこちらも同じだ。
焦っているのはこちらも同じだ。
だからこそ、一撃で仕留めなければならない。
全ての敵を、一撃で。
出来なければ、折られる。
滅多に味わうことの無い、危機的状況だ。
単純な疲労か、それとも恐れか。
もはや、分からない。
刀を握る左手が、震えていた。
『遅いッ！！』
刀二振りの前に陣取っていた、脇差と短刀の急所を叩き斬る。
――落ち着け。そして息をつくな。
振り返りざま、背後を狙ってきた太刀の懐に入り、その首を掻き切る。
――あと二振り。油断するな。本体を狙わせるな。
残っているのは、...大太刀と、脇差。
『脇差はともかく、室内戦で大太刀たぁ、...舐められたもんだな...！！』
間髪入れずに畳を蹴った。
大太刀の首に刀を滑らせる。
――そこに生まれる小さな隙を突こうと、脇差が迫ってくるのは予想していた。
即座に手首を返し、脇差の頭部を破壊。
その反動を利用して、大太刀の胸に深々と刀身を突き刺した。
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＊紫苑＊(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 一年半近くもお待たせしてしまい本当に申し訳ありませんでした……！更新はさせていただきます、大倶利伽羅と蒼天竜の道の果てをどうぞもう少しだけ見守ってあげてください！ (2022年1月7日 13時) (
レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - 鳴瀬さん» お久しぶりです！大変長らくお待たせしました……！確認したところ下書き中では完結となっていましたので、ここから整理して一気に放出してしまおうと考えています！もうしばらくお待ちくださいね…！ (2022年1月7日 13時) (レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - さ、さ、作者様？？？“終わり”になってますが続きは無いのでしょうか・・・？（泣） (2020年10月13日 20時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、ありがとうございます。続き、楽しみにしています。 (2020年5月13日 20時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 最後まで、楽しみます。なので、体調に気を付けて頑張ってください。拗れに拗れているけど、そこが面白いです。伊達組、最高です。 (2020年4月23日 11時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2019年10月19日 21時
