＃ Dragon eyes…134 ページ43
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『...ッ...！』
「ううむ。見栄えはしないがこんなものか。私が壊すよりも前に壊れていた城が焼け落ちたところで、何か変わることでもない。...卿が守りたかったのは、そんな価値のない物なのかね？」
『ぐ...っ、』
こいつは全部分かってる。全てを見通したうえで、まだ飄々と言葉を並べている。
私の事も。...多分、この先、未来の事も、全部。
――胸の痛みが酷い。
満足に呼吸が出来ないくらいには悪化している。
本体のところに、行かないと。
本体が折られてしまえば、いくらここにいる私がピンピンしていても関係ない。
問答無用。一瞬の猶予もなく、私は、この世から消えるだろう。
ヤツらはそれを狙ってる。
(やられて...っ、堪るかッ...！！)
そう易々と。
お前たちに差し出せるような、そんな安い命は持ってない。
ズキン、ズキン、...痛みは収まる気配を見せない。
『フーッ...フーッ...！』
「辛そうだな。歴史の輪に絡め取られ使役される身、か。...珍しい物ではあるが、愛でたいと思う者でもない。私が、卿に"最高の終わり"を提供してあげよう」
松永の声が、遠い。意識を保っているのもやっとの状況まで、追い詰められている。
それでもやるしかない。
今の戦いで霊力はほとんど尽きかけてる。
恐らくあと一回分。ここで使えば私の手札は無くなる。
『...ははっ...。"最高の終わりを提供"？』
「嗚呼。きっと満足のいくものだ。どうかね？卿には敬意を示しているのだよ」
『"満足"？"敬意"？――馬鹿らしい。夢物語をほざくのも大概にしろ...！』
ゆらり。消えかかっていたはずの闘志が、再び身を包む。
罪のない人を大勢殺した。
自分の「興」の為だけに、これほどの所業を。
歴史を守る。流れを護る。...それが私の役目であり存在意義だ。
しかし、これはそれ以前の問題。
松永は、...この男だけは、どうしても気に食わない。
満足。敬意。終わり。
――お前のような人間にそれを与えられるほど、私は飢えていない。
満たしてくれる存在がいるから。
帰るべき場所が、ちゃんとあるから。
握っていた刀をチン、と鞘に納め、私は両手を握り締める。
(...やれる。やる。...この手で！)
チチ、と腕に細い閃光が走る。
残しておいた手札を使う準備は出来た。
――ここで使わず、どこで使えと？
ゆっくりと視線を定め。その先に、松永と時間遡行軍を捉える。
当てる的がデカいのは好都合。
私は、く、と口角を上げた。
『終わるのは、お前らだ』
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＊紫苑＊(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 一年半近くもお待たせしてしまい本当に申し訳ありませんでした……！更新はさせていただきます、大倶利伽羅と蒼天竜の道の果てをどうぞもう少しだけ見守ってあげてください！ (2022年1月7日 13時) (
レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - 鳴瀬さん» お久しぶりです！大変長らくお待たせしました……！確認したところ下書き中では完結となっていましたので、ここから整理して一気に放出してしまおうと考えています！もうしばらくお待ちくださいね…！ (2022年1月7日 13時) (レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - さ、さ、作者様？？？“終わり”になってますが続きは無いのでしょうか・・・？（泣） (2020年10月13日 20時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、ありがとうございます。続き、楽しみにしています。 (2020年5月13日 20時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 最後まで、楽しみます。なので、体調に気を付けて頑張ってください。拗れに拗れているけど、そこが面白いです。伊達組、最高です。 (2020年4月23日 11時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2019年10月19日 21時
