＃Dragon eyes...129 ページ38
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紅い光は、言うまでもない。
―――時間遡行軍の瞳の輝きだろう。
ついに来た。これで私の餓死の心配はせずに済む。
それなりの数だった気がする。
あの一瞬で正確に数えられたのは、...二十。計四十の赤い目。
私たちの本丸では、一度に相手取る敵の数が十五を超えると、状況は芳しくないと捉える。
それより五匹多い。まだ増えると考えた方が良いだろう。
そして、問題は「蔦の紋」だ。
黒旗に金の刺繍で縫われたあの紋、―――見覚えがある。
戦国の世の梟雄にして、人からあらゆる宝を奪い、同時に与える摩訶不思議な男。
『松永、久秀...！』
何よりも他人の宝を求め、宝を愛でる事に心血を注ぐ男だ。
―――私はヤツが好きじゃない。
伊達家と松永には色々と因縁があった。
公や小十郎は勿論、伽羅、光忠、鶴丸、貞でさえもあの男の名を聞くと顔をしかめる。
ヤツが、..松永久秀が、時間遡行軍と手を組むという新たな難事件が起こる可能性。
考えてなかった。
しかし、有り得ない話ではないのがやけに苛つく。
『また新しい面倒起こしやがって...！！』
松永が時間遡行軍を利用しようと思うのと同じく、時間遡行軍も松永を利用しようとするのは目に見えている。
大方、「景秀の銘付きの二振りの太刀は、やむなく伊達家から松永の手に渡り、それ以来行方は知れない」などと言った筋書きでも通すつもりなのだ。
やらせて堪るか。
遡行軍に加えて松永軍も敵認定になったから―――だから何だ。
そこで止まってられるほど落ちぶれてない。
ヤツらを追う。追って松永の目的を問い質す。
その際乱闘に持ち込まれたら、仕方がないから相手をしてやろう。
全滅させてやる。
ぎゅ、と拳を握りしめ、私は部屋を後にしようとした。
『......』
障子を閉める寸前、...ふとその手を止め、振り返る。
うんともすんとも言わない太刀二振りは、まだ、その場にある。
―――絶対に、守るから。
『己の存在も、強さも、...誇りも！』
城の外がやけに騒がしくなっている。
どうやら、思った以上に奴らは思い切りが良いらしい。
小十郎と、梵天丸は、今、どこにいるのだろうか。
彼らと鉢合わせはしたくないな。―――混乱するのも、させるのも勘弁してほしい。
...そう思いながら、私はついさっき上ってきた階段を駆け下りた。
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＊紫苑＊(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 一年半近くもお待たせしてしまい本当に申し訳ありませんでした……！更新はさせていただきます、大倶利伽羅と蒼天竜の道の果てをどうぞもう少しだけ見守ってあげてください！ (2022年1月7日 13時) (
レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - 鳴瀬さん» お久しぶりです！大変長らくお待たせしました……！確認したところ下書き中では完結となっていましたので、ここから整理して一気に放出してしまおうと考えています！もうしばらくお待ちくださいね…！ (2022年1月7日 13時) (レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - さ、さ、作者様？？？“終わり”になってますが続きは無いのでしょうか・・・？（泣） (2020年10月13日 20時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、ありがとうございます。続き、楽しみにしています。 (2020年5月13日 20時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 最後まで、楽しみます。なので、体調に気を付けて頑張ってください。拗れに拗れているけど、そこが面白いです。伊達組、最高です。 (2020年4月23日 11時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2019年10月19日 21時
