＃Dragon eyes...128 ページ37
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...本日二度目の「さて」、である。
さてこれからどうするか。思考を切り替え考え始める。
時間遡行軍がやってくるまで、この場で張り込みを続ける事が出来たらどれだけ楽な事か。
しかしそれは現実的に無茶だ。
この部屋はあくまで来賓用。伊達家は外交には割と積極的な方だし、
...他家の家臣とうちの重鎮がここで話し合いをする姿、現に私は何回も見ている。
人に見つかれば終わり...。
今一度心の中で反芻し、隠密を心掛ける。
張り込みが駄目なら、
城からほど近いところで野宿して、何かあった時にすぐ動けるようにしておくか。
いやけどそれでは。
(それはそれで、近くの百姓に見つかりそうだしなぁ...)
そもそも、時間遡行軍がいつ現れてどれくらいの勢力を持っているか私は知らない。
もしかしたら、一カ月後かもしれないし、明日かもしれない。
...仮に前者の一カ月後だった場合、私は刀を折られるどうこうの問題以前に、まず間違いなく餓死しているだろうが。
『それは...嫌だな』
何の戦果も挙げないで無様に命を落とす己の姿を思い浮かべ、
私は一人、露骨に顔をしかめる。
取り敢えず、そういうことは考えないようにした。
うーん...。
ここの屋根裏にでも潜んで、有事の際には天井を突いて奇襲するか...。
この分野は普通、小柄な短刀勢が担うものだが、...太刀が遂行するのは前代未聞だ。
『最終手段が関の山ってところ、か』
屋根裏作戦は一番最後に取っておくことにする。
小さく息をつき、特に意味もなく、私は窓辺へと歩み寄った。
ここから見える景色が、言ってしまえば一人ぼっちだった私の全てだった。
農家も、畑も、田も、戦準備も、侍の稽古も。
ここからなら、それなりに色んな光景を見る事が出来たものだ。
それに、制限はあるものの城の中では自由に動くことが出来た。
付喪神は、依り代から一定の距離を置くと、
強制的に本体が保管されている場所に引き戻されてしまうから。
私の場合、その範囲がちょうど米沢城の広さと合致したという訳だ。
『今日は、どんな星が見れるか、な―――...、...！？』
城下町から視線を逸らし、私は山のふもとから空へと目を泳がせた。
―――その一瞬。
山道から空へと視線が移る瞬間。
『な...っ』
見間違いだろうかと目を疑った。
急いでもう一度同じところを見るが、...それは、すでに夜の闇に溶け込み消えている。
何だ、今の。
...目の良さは自慢だ。あれは幻覚じゃなかった。
紅い光と、―――蔦の紋。
その二つが、確かに闇に浮かんでいた。
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＊紫苑＊(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 一年半近くもお待たせしてしまい本当に申し訳ありませんでした……！更新はさせていただきます、大倶利伽羅と蒼天竜の道の果てをどうぞもう少しだけ見守ってあげてください！ (2022年1月7日 13時) (
レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - 鳴瀬さん» お久しぶりです！大変長らくお待たせしました……！確認したところ下書き中では完結となっていましたので、ここから整理して一気に放出してしまおうと考えています！もうしばらくお待ちくださいね…！ (2022年1月7日 13時) (レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - さ、さ、作者様？？？“終わり”になってますが続きは無いのでしょうか・・・？（泣） (2020年10月13日 20時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、ありがとうございます。続き、楽しみにしています。 (2020年5月13日 20時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 最後まで、楽しみます。なので、体調に気を付けて頑張ってください。拗れに拗れているけど、そこが面白いです。伊達組、最高です。 (2020年4月23日 11時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2019年10月19日 21時
