＃竜の願い...112 ページ21
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『...！！？』
空耳だろうか。
何かが、壊される音。
"壊されてはならないものが、破壊される音"。
キィィィィン...という、ひどい耳鳴りが聞こえた直後。
『はぁっ...ぁ"ッ...！』
...痛みは、引いていく潮のように静かに消えていった。
息が切れている。額には大粒の汗が浮かんでいる。
―――体感したことのない激痛だった。
体が自分のものじゃなくなったかのように、言うことを聞かなかった。
本能的に、とてつもない恐怖を感じた。
何だったんだ今の。
何かの―――発作だろうか。
『...そう、いえば』
こんなに激しく重いものではなかったが、...そうだ、思い出した。
胸を刺すような痛み。
ズキン、ズキン、という痛みは、最近になってよく感じるようになっていた。
手入れ部屋で、目を覚ました時も。
伽羅と、話した時も。
あれはやっぱり、傷の疼きじゃなかった。
今のは、それを数十倍も強めたようなものだった。
何かの歯車が、たぶん今ので壊れた。
直感的にそう感じる。嫌な汗が伝う。
私の直感は、―――良くも悪くも大体当たるから。
〔本丸で生活するにあたって何かあったら、必ず俺に言うこと。ちょっとの変化が、後々大きな何かに繋がるかもしれないからな！〕
―――主の言葉が脳裏によぎる。
私の、変な思い違いなのだろうか。
けどこれは、明らかに、...異常だ。
『...行こう』
久しぶりの審神者室になる。
今は光忠が主と話をしているかもしれないが―――それは、終わるのを待っていればいい。
どこから来るかてんで分からない謎の焦燥感に急き立てられ、私は未だおぼつかない足取りで、誰に気づかれるともなく部屋を抜け出した。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
＿＿
ここまではっきりとした「不安」と「恐怖」を感じたことは、あまりない。
漠然とした「感情」というものを掴むのは、元「物」であった私たち刀剣には少々ハードルが高いことだ。
それでも分かる。私は今、怖い。
自分の身に何が起きているか分からないのが、怖い。
...そう考えると、私は本当に何も分かっていないんだな、と思う。
様々なことに関して、一から十まで全部分からず仕舞いだ。
考えても考えても、答えが出ない問いがあるのを、ここ数日で嫌というほど思い知らされた。
今まで感じてきた疑問がすべて解決される日が、果たして来るのかどうか。
(それも分からないけど、...でも)
何もしないよりかは、動いていた方が良い。
そう思うから、こうして動いている。
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＊紫苑＊(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 一年半近くもお待たせしてしまい本当に申し訳ありませんでした……！更新はさせていただきます、大倶利伽羅と蒼天竜の道の果てをどうぞもう少しだけ見守ってあげてください！ (2022年1月7日 13時) (
レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - 鳴瀬さん» お久しぶりです！大変長らくお待たせしました……！確認したところ下書き中では完結となっていましたので、ここから整理して一気に放出してしまおうと考えています！もうしばらくお待ちくださいね…！ (2022年1月7日 13時) (レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - さ、さ、作者様？？？“終わり”になってますが続きは無いのでしょうか・・・？（泣） (2020年10月13日 20時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、ありがとうございます。続き、楽しみにしています。 (2020年5月13日 20時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 最後まで、楽しみます。なので、体調に気を付けて頑張ってください。拗れに拗れているけど、そこが面白いです。伊達組、最高です。 (2020年4月23日 11時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2019年10月19日 21時
