＃Dragon's claw...92 ページ1
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―――凄まじい戦いになったのは、もう言うまでもないだろう。
予定通り、雷撃が鳴り響くと同時に、陣営の反対側で待機していた三人が敵の懐に飛び込む。
瞬間的に走った、目を潰さんばかりの閃光に、敵の視界は使い物にならなくなる。
…雷撃を山頂に落としたのは、それを狙っての事だ。
そして、私が戦場の光景を鮮明に覚えているのはここまで。
後は、ひたすら敵を斬って斬って斬りまくった。
悪いが、冗談抜きで本当に―――戦闘の間の記憶が抜けているのだ。
どう刀を振るって、どう陣営を進んだのか、まったく覚えていないまま。
『…！？』
気づけば、どうやら五人の中でもずば抜けて陣営の深奥まで入り込んでいた。
戦の喧騒は随分と遠くだ。
ヤバい、これはさすがに深入りしすぎた…。
呆然としたままそう思い、死闘のあとの、あの独特な感覚―――妙に冴え渡った意識と視界で、自分がおかれた状況を確認する。
蒼い陣羽織が深紅に染まっている。
相当の敵を仕留めたのだろう。...恐らく、今までの中でも屈指の数を。
はっ…はっ…という自分の息遣いがやけにはっきりと聞こえる。
『…いるなら、出てきたらどうだ』
その音の間に、"微かに違う音が混じっていたのを私はすぐに察した"。
私以外の存在が、潜んでる。
言葉は宙に漂い、程なくして消える。
束の間、沈黙が流れ。
『…ッ！！』
［ほう…、今の攻撃を防ぐか、小娘…！］
『小娘だァ…！？笑わせんな、こちとら鎌倉時代から刀やってんだ、よッ！』
唐突に背後から差した、己の背を余裕で上回る影。
頭で判断するより先に、両手に握った二振りが動いていた。
ガッ…、という鈍い金属音。
頭上から降り下ろされた大太刀を、間一髪で防ぐ。
重い。腕がもげそうだ。どんな腕力してんだこいつ―――！？
そんな驚愕はおくびにも出さず、
相手の力を上手く受け流し、その凶刃を弾いて距離を取った。
―――取ってから、また、驚いた。
姿形は、普通の時間遡行軍と変わらない、大太刀のもの。
だけど、いやちょっと待て。
今私、誰と喋った…？
『お前…っ、口利けんのか…！』
［ふん、直々に「折れ」と指示され、どんな刀剣かと来てみればひ弱な女士だったとは…。気が抜けてしまったわ。我が赴く必要もなかった］
くぐもった低い声は、目の前の大太刀から発せられたものだ。
喋れる奴もいるのかよ…、と新たな発見に驚きつつも。
『私を―――「折る」、だって？』
その言葉が、純粋に気に食わなかった。
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＊紫苑＊(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 一年半近くもお待たせしてしまい本当に申し訳ありませんでした……！更新はさせていただきます、大倶利伽羅と蒼天竜の道の果てをどうぞもう少しだけ見守ってあげてください！ (2022年1月7日 13時) (
レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - 鳴瀬さん» お久しぶりです！大変長らくお待たせしました……！確認したところ下書き中では完結となっていましたので、ここから整理して一気に放出してしまおうと考えています！もうしばらくお待ちくださいね…！ (2022年1月7日 13時) (レス) id: d8db5ba2d9 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - さ、さ、作者様？？？“終わり”になってますが続きは無いのでしょうか・・・？（泣） (2020年10月13日 20時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、ありがとうございます。続き、楽しみにしています。 (2020年5月13日 20時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 最後まで、楽しみます。なので、体調に気を付けて頑張ってください。拗れに拗れているけど、そこが面白いです。伊達組、最高です。 (2020年4月23日 11時) (レス) id: 67ee969d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2019年10月19日 21時
