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#百四十六振り目 ページ3







「A」

『っ!何!?こっちは急いでんの、どうにかしなきゃ___』

「形しかない憎しみで動いていたら、お前もいつか影華と同じところまで堕ちるぞ」

『......!?』




何とかしなきゃ。どうにかしてここを出ないと。
そればかりが、己を急き立てて仕方がない。


そんな時に限って長谷部は___私の右腕を、がっしりと掴んで離さなかった。



たった一言。

長谷部の言葉で、サァーッと血の気が引けた。



影華と、同じところまで、堕ちる。



...私が?あんな奴と同じ?
あんたは、一体何を言って。




「一度落ち着いてよく考えてみろ。お前は今、地に伏している男士を垣間見たんだな?敵にやられる大倶利伽羅を、その目で__いや、意識で感じ取ったと?」

『だからっ...、そうだって...、言ってんじゃん...!』

「では問うぞ、A。お前の霊力で、奴らが死んでいるところは"確認したのか?"」

『...!』




長谷部の手は、私の両肩に置かれた。

大して変わらない身長(それでもやはり長谷部の方が高いが)を、わざわざ視線を合わせて若干かがみ込んで。


藤色の瞳が、私を捉えて離さない。


逸らそうにも、逸らせない。




「したのか。してないのか。どっちだ?はっきりしろ!」

『...し、...してない...』

「ふんっ...。これだから人間は。確信を持てない事に一々浮き沈みするな。馬鹿馬鹿しい。お前はただで奴らが死ぬとでも思っているのか?」




寝言は寝て言え。あいつらはここの本丸の刀剣男士だぞ。

___そう易々と倒れられたら、主の名に傷がつく。


心底不服そうに、...しかしどこか誇らしげに。

長谷部は鼻を鳴らした。




「必ず逆転の機はある。お前と奴らが合流できればな。
...形勢逆転のカギをお前が握っているというだけの事だ。

「私が私が」とさっきからぶつぶつうるさいんだお前は。

今ここには、俺も、こんのすけ(こいつ)もいる。一人で背負おうとするな。


一人で何でも抱え込むのは、主の悪い癖だった___」


『...え』




遠い目。

最後のその言葉に、私は目を見開いた。




『ねぇちょっと、今の「主」って___誰の事?』

「変な事を聞くな。そんなの我が主、影華に決まって___」




はた。

長谷部の動きが止まる。

一瞬答えを得たかのような顔をしたが、その表情もすぐに暗くなり。




あえなく、私の期待は裏切られていしまった。




「...知らん。今は関係のないことだ」




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*紫苑*(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます!続編完成しましたよ!(*^▽^*)続編の方でも楽しんでくださると嬉しいです…!(*≧∀≦*)あともう少しだけお付き合いください!よろしくお願いします! (2020年4月3日 21時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続編気になるーーー頑張ってください!!!!大ファンです! (2020年3月30日 14時) (レス) id: 54588389f1 (このIDを非表示/違反報告)
*紫苑*(プロフ) - ちゃらんぽらんさん» 嬉しいコメントありがとうございます...!!1人でも多くの刀剣乱舞ファンの方を伊達組沼に落とそうと画策していた次第であります(笑)楽しんで頂いているようで作者も本望です(*^▽^*)続編、ラストスパートかけていきます!あと少し、よろしくお願いします!! (2020年3月23日 11時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - (続)寂しさも感じます、続きを楽しみに待っております!かなり長くなってしまって申し訳ない!更新頑張ってください!!! (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - 初コメ失礼します!!めっっっっっっちゃ続きが気になりすぎて夜しか眠れません((元々鶴丸だけを推してたんですが、この小説がきっかけで一気に伊達沼に堕ちました……サイコーだぜ…((続きが気になるし、早く読みたいと思う反面、伍で終わってしまうのか…という(続) (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*紫苑* | 作者ホームページ:http://twitter.com/wakagi116  
作成日時:2019年5月10日 18時

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