【刀剣乱舞】生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃三十七振り目 ページ39

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『そうだ＿＿＿、光忠！！』

「ん..？何だい、顔に何かついてる？」

『違うに決まってるでしょ！鶴丸も貞も言ってた、今、中傷負ってるって...！』

「...あぁ、まぁ、ね」




どうして今まで気づかなかったんだろう。

貞が言ってたじゃないか。

「この部屋では、中傷負ったみっちゃんが寝てんだ。それを邪魔してんのはそっちだぜ」
と＿＿＿。

しかし何だろう。
この違和感は...？




『手当て＿＿、今すぐ手当てしないと！貞、手入れ部屋の状況は？...っていうか、他の刀剣たちもまさか＿＿＿！』

「うーん...、止めてくれないかな、Aちゃん」

『......ッ...！！？』




分かった。
答え合わせ成功だ。

...光忠の、態度。声。言葉。

全てが、違和感。




「そうやって騒がれるのが嫌だから黙ってたんだけど...。手入れ部屋ならもう機能してないよ。仮に動いてたとしても、僕はそこに行くつもりはない」

『...何で！』

「...分からない？」




自嘲するような笑み＿＿。

正直、背筋が凍った。



「＿＿＿どうせすぐ、また中傷を負うことになるからだよ。意味のないことに時間を使うだけ無駄だ。...重傷の子も、沢山いる」

『........。』




そういいながら、...無意識だったのだろう。
光忠はおもむろに、眼帯に触れていた。


.......。


嫌な、感じがした。
眼帯の下、その右目。

寒気が走るようなこの感覚。

前に一度だけ、同じ感覚を味わったことがある。




『...光忠』

「君が何を言おうと、僕の意志は変わらな＿＿＿、ッ！？」

『...説明して。今すぐ、簡潔に、分かりやすく、私みたいなバカでも分かるように！』




私の手は、素早く光忠の手をどけ＿＿、
眼帯の留め具に伸びた。


止める時間は、与えなかった。

カチャリ、と金具が外れる音。


重力に従って、ポトリと落ちる黒い眼帯。




『前に一度だけ見せてくれたよね...、その時は藤色だった気がするんだけど...、私の記憶違い？何でそんなに＿＿＿、"紅くなってる"訳？それじゃまるで...、』

「時間遡行軍みたい、...かな？」



一番触れられたくない部分であろう、右目の話＿＿＿、

一瞬驚いたように肩が跳ねたものの、それでも別段起こった様子はなく、
＿＿＿ただ淡々と、光忠はそう言った。




「カッコ悪いよね...。今の主に目をつけられてるからかは分からないけど、...だいぶ前からだよ。眼帯で隠せる右目で良かったとは、...思ってるんだけど」





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