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蒼詩side
…「うえっ…げぇ、、ｸﾞｽｯ…ｳｯ…ｴｯ…おえ…」
ん？吐いてる？だれ？
…あ！空詩！
蒼「よしよし、ごめんねぇ、、
しんどいの全部げぇしちゃおうね」
ぽかぽかしている空詩のそばでついうとうとしてしまい、いつの間にか眠ってしまっていた。
夢か現実か曖昧な意識の中で聞こえてきたのは嘔吐く声とびちゃびちゃと水の落ちるような音。
その音の主が空詩のものだと気づくまでにさほど時間はかからなかった。
あぁ、ボクのせいで空詩を傷つけてしまった。
空詩は起き上がりしくしくと涙を流しながら嘔吐していた。
最初は布団を汚さぬよう我慢したのだろう。手やパジャマにたくさんの吐瀉物が溜まっていた。それでも入り切らなくて布団にもこぼれ落ちている。
それでもなお戻し続ける空詩。
うえっ、おえっ、と苦しそうな声を出しながら、小さな体にどれだけ入ってるの？と言いたくなるぐらい大量に戻し続ける。
その合間に聞こえてくる空詩の「ごめんなさい」の言葉。
ボクの方こそごめんなさい。
看病するといいながら空詩のこと何も見てあげられてなてごめんなさい。駄目な兄でごめんなさい。
申し訳ないが、帰ってきてるであろうあの子にスマホで連絡をする。
蒼詩琥詩、帰ってきてる?
こーたリビングにいるよ!
蒼詩父さんと空詩の部屋、来てくれないかな?空詩が戻しちゃったからお風呂入れてあげてほしい
こーたもちろん!すぐ行く!なにかいる物ある?
蒼詩ありがとね、スポーツドリンクと口をゆすげる水を持ってきて
なかなか返信がこないって思ったら、控えめにトントンとドアが叩かれた。
ほかの人のお部屋に入るときはノックをしようね、そうやってボクは弟達に話してきた。
ちゃんと約束を守るいい子たちでしょ？
…そんな惚気話は置いといて。
蒼「入っていいよ？」
ｶﾞﾁｬ
そこには空詩が産まれる前までは末っ子で甘やかされ、わがままだった琥詩が、空詩のお兄ちゃんとして、頼もしい姿で立っていた。
蒼「ありがとね。空詩、１回お口ゆすごうか、気持ちが悪いよね。」
琥「蒼兄、オレがやる！空詩、大丈夫か？愛する弟よ、このオレにとことん甘えなさい^^」
前言撤回(笑)もちろん頼もしいけれどただの兄バカだ(笑)
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作者名：双葉愛莉翠 | 作成日時：2018年11月11日 13時
