♪第14話 ページ16
流「♪まーすぐな瞳に僕が映る度 この気持ちが吸い寄せられてゆくよ 見上げた夜空にもきみを感じてる」
……っえ?
流、星くん……?
流「♪二度目の冬 その肩を抱き寄せて キスをしよう」
ふ、冬……?
今、夏だけど……。
流「♪好きだよ。ねぇ好きだよ。ただその想いが また今日も溢れてゆくから」
いつのまにか、騒がしかった教室は静まり返っていた。
まるで、みんなで流星くんの歌声を聴いているコンサート会場のように……。
流「♪その目はそらさないでいてほしい」
気づいたら隣に小瀧くんが来ていた。
間近で見ると、そのめがねでさえも彼の一部のように輝き、奥にある美しさに息をのむ。
でも、どこか寂しげな影があった。
望「なぁ、知ってた?今流星が歌ってんの、実は二番の歌詞なんやで。」
『え、これってもともとある歌なの?』
望「ん。“きみへのメロディー”って言うんや。」
きみへの……メロディー……
望「それにしても。流星、歌うまいな。」
『ほんとだね。』
流「♪新しい明日見つけよう ふたりだけのLOVE STORY 待ってるから」
アカペラのはずなのに流星くんの歌声は綺麗すぎて言葉も出なかった。
望「りゅーせー。なに二番歌ってんねん。一番歌えや。」
流「え、俺二番歌ってた?」
望「バリバリ。お前こういう時でもアホやなぁー。」
流「ん〜、一番歌ってるつもりやってんけど……。」
重「つ〜きさんっ!」
『えっ!?あ、重岡くん……。』
重岡くん、ドアから私の机まで瞬間移動。
重「どうやった?流星の歌。」
『き、綺麗だったと、思うよ?』
重「ほんまぁ?月さん、それ、ほんまに思う!?」
『う、うん……。』
重「りゅーせー!!月さんがな!!歌、綺麗やったって!!」
流「えっ……嘘。」
重「え、ほんまぁ〜言うてたで?」
流「嘘やん。……それ、ほんま言うてたん?」
重「やからほんまやって!」
流星くんは片手で口元を覆い、下を向いた。
なんとなく分かる。
……照れてる?
『綺麗だったよ、流星くん。』
言った後にハッとする。
……あっ。恥ずかしっ……。
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フタバ - 神ちゃんの「スイーツが彼女やもん!」て(笑)言うか??(笑)でも面白い!! (2017年8月15日 15時) (レス) id: 5aa66d0593 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 鏡とカーテンです!分かりましたかー? (2017年8月7日 11時) (レス) id: ec49a398ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ