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第21話 ページ23

教室の机の影からマオが立ち上がった。
「マオ、起きたんだ?良かった!んで、リミッターって?」
声の主、マオに言葉を返す。
「うん、ごめんね。色々と本当に。…そう、ユウは顔の左側が機能してないんだよ」
「…え?」
「俺が説明する。俺の左目と左耳は、生まれつき使えないものなんだ」
ユウが座ったまま話に入ってくる。
「ピアスにはマオの魔力がこもってて、普段はその魔力が視力と聴力になって、普通に両目と両耳が使えるんだ」
マオがその後を続ける。
「ピアスを外すと、ピアスにこもっていた魔力がすべてユウの力となって、強くなれるんだよ。その代わりその間、左側の視力と聴力はなくなるけどね。僕の強さに近づけて、僕の暴走を止められる確率が高くなる」
「たまに止められないのが厄介なんだけどな!あと、ピアスから俺に入った魔力は一時的なもので、すぐ使いきっちまうんだよ。その度にマオに入れ直してもらうんだ。俺がマオの暴走止めるのは今まで2回くらいしかなかったし、あんまりその機会はなかったけどな」
「まあ、ユウが気づかない時に暴走してたりもあったけどね。意識あって暴走する時は結界張ってその中でとか…あと、僕は暴走した後、身体がしばらく動かせなくなるんだけど…」
マオは少し考えるとその場で飛び跳ねた。
「…ユウ、ここまで完治させなくて良いんだけど」
「俺は"言われたこと"をしてるだけだ。お前寝てたし、"意思"もなかったし」
「だからってユウの魔力完全に消費してまで治さなくていいよね!?どうせ回復のしすぎで立てなくなってるんでしょ?僕は回復苦手なんだよ?アホか!!」

黙って話を聞いていた亜美が、ふと立ち上がった。
「あれ?お姉ちゃんもう大丈夫なの?」
「大丈夫。いや、そういえばこの教室で妖怪見てないなって」
「…そういえば」
「見てない…っていうか隠れてるのね」
亜美が私の方を見る。私がどうかしたのかな?
「なんで亜美はそういうこと解るの?直感力でも身についたかな」
マオが驚いた、といった顔で亜美に言葉をかける。
「直感ね…そんな感じなのかしら…っていうか、はやく出てきてくれる?"ラスボスさん"」
最後、暗黒微笑と言うに相応しい笑顔になる亜美。
と、私のポケットからむーちゃんが飛び出し、副校長の机?に飛び乗った。

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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:埣空 碧(さいくう あお) | 作成日時:2013年4月20日 19時

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