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「……御客陣。何の御用だ。」
意外にもフレンドリーに瞳と髪が赤い鶯丸はそう言った。
私達の緊張を返してくれ。
「鶯丸様、私は政府より参りましたAと申す者です。」
「…審神者か?」
「後ほどそのような役職になると思います。」
あ、地雷踏んだ。
カタッ、っと刀を握り直す音が聞こえ私は確信した。瞬きをする間もなく神速抜刀された太刀は、私の首目がけて欠けた月を描いた。
勿論そう簡単に殺られるつもりは無い。…というか長義さんが助けてくれた。
「相変わらずいらない所で正直者を発揮するね!?」
「お褒めに預かり光栄です」
「俺は褒めていないよ」
「残念です」
タンタンタンと、刀剣男士特有の超常的身体能力で玄関口から一気に門の上、そして登れば崩れ落ちそうだが本丸の屋根の上に飛び移る。
因みにこんのすけは長義さんのマントにしがみついていた。いつの間に
……長義さん、戦闘力がない…のではなくて、回避に全振りしてしまっただけなのでは。
確か計測では遠戦で全てのものを避けていた…手合わせでも…中々有力な説では?
「ちょっと、何を考えてるのかは知らないけれど早くこの状況の打破を考えてくれるかな!?
このままだと俺達、切り刻まれて終わってしまうよ」
「そうですね〜」
「呑気ですね審神者様!?」
私は長義さんに俵担ぎにされ、後ろから追いかけてくる鶯と名のついた鬼を観察しながらとある案を思いついた。何事も焦らずに冷静に、だ。
「いえいえ、今から少し或ことをしようと思いまして。長義さん、その進んだ先の右下踏み抜いてください」
「は?踏み抜く?そんなことをしたら…」
「いいから、早く。切り刻まれますよ」
「くっ…」
バキバキバキッ!……と、長義さんがそこを踏み抜くと同時に上からは刀が垂直に空を切る音がした。…あとコンマ数秒長義さんが躊躇っていたら首と体が永久におさらばだった。
さて、作戦会議だ。
「そうしたら…」
「…は?折れろと?」
「そうじゃなくて……
…っていうこと、取り敢えずお願いします。」
「…分かったよ」
作成開始。
「…あの〜…」
「…何だ、逃げる気は無くなったのか。」
傍に居た刀剣男士はいつの間にか居らず、そこに居たのは新たな審神者だけだった。……こんのすけもいないのか。
審神者に大体くっつき回っているというのに。
「そういうことではなくてですね。お茶菓子を持ってきましたので…」
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作者名:伏見桜 | 作成日時:2021年5月3日 3時