第一刀剣男士 ページ5
「そ、それでは、再度今回の任務の説明をさせて頂きます…」
ガタガタとこんのすけ様は震えながら任務の概要を説明してくれる。ここまで怖がらせるつもりはなかった、非常に申し訳ない。
「今回の任務は、
成程……主が寿命で死んだ後、新たに来た審神者が超ドクズでヤバいから殺したと。鶯丸様の判断は素晴らしいな。
ただクソ上層部は審神者の悪行を隠蔽したいのでこれを刀剣男士の暴走とし、少し穢れを纏わせた、と。そして予想外なことにその穢れが鶯丸と融合してしまい、鶯丸様は6分の1ほど堕ちてしまわれた、と。
…………唯の自業自得では?
上層部は何処まで阿呆なのか。
…とはいえ、刀剣男士に罪はない。人を殺しはしたが正当防衛だろう。
他の一部を除く、被害を受けていない刀剣男士は完璧に鶯丸の暴走と捉え、他本丸へ…被害を受けた刀剣男士は現在政府の治療機関で治療中……と。
便利な言葉だな。
大方ここから堕ちることや反乱が怖くて刀解したのだろう。
ただ、任意同行すら難しい鶯丸様には手が出せなかったと。
……嗚呼、聞いているだけで頭痛がしてくる。
「では行こうか」
「何故貴方の方が少し楽しそうなんですか」
「何事も気を落としてはやって行けないだろう?」
ニッコニコの笑顔で長義さんはそう言った。
つまりは「なんかとりあえず気楽に吹っ切れようぜ」ということらしい。酒を寄越せ。
まぁ一理あるので萬屋で茶菓子を幾つか買って、武器を装備し直すと問題の本丸へ。
私は近接武器だとトンファーが得意です。
ガン=カタもいけますよ。
何故そっち寄りなのかって?……昔憧れてよく真似をしていたからですね。
「着きましたよ」
「ふむ、これはなんとも…」
「うわぁ…」
審神者の居なくなった本丸はアマゾンのようになってしまう。草木は自由気ままに生え、建物は朽ちていく。当然敵も出入りが自由に出来てしまう。
政府の保護装置自体が審神者の霊力を動力としているので亡くなればそれはガラクタになる。
「……もう帰っていいですか」
「駄目だよ」
「チッ…」
おっといけない、つい舌打ちが。
私達がそんな会話をしていると中の方から何者かが歩いてくる音がする。
ギィギィと床板を軋ませながら…
嗚呼何だか動悸がしてきた。お化け屋敷でお化けが出るのを待っている気分だ。
というかそろそろ寝たいです。
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伏見桜 | 作成日時:2021年5月3日 3時