【ジョジョの奇妙な冒険】Fiore velenoso 【ジョジョ５部】

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『さてさてお集まりの紳士淑女の皆々様方ァ、これなるは五十三人の団員による寸劇でございますゥ。ワタクシは座長を務めまするジョーカーでありますゥ』

カード達が合唱を始めた
まるで童話のアニメーションの一場面のような光景にアニメ好きのミスタはテンションが上がる

フーゴとAはソファに座りその寸劇の様子をぼんやりと眺めていた

『今回のお題はルシェロ・ヌオターレ率いる武器チームについてェ。さぁて、今回の連中はどこでナニをしているのカナ、カナカナ？』

『ルシェロ、アイツァA様のこと恨んでるゥ殺したいくらいに恨んでるゥ』

『仲間は四人、皆バラバラの所にいるよォ、ドイツもコイツも頭のおかしいヤツばかりィ』

『フローデ』
『ジーノ』
『フィルマ』

『フィルマ以外はA様のこと恨んでるゥ』
『ボスを倒すのは口実でェ、本命はAサマサマ』

陽気な歌に合わせて劇団達からとんでもない様な恐ろしい"真実"が告げられる
ジョルノを倒してのしあがろうという野望は表向きの口実でAを殺すことが最優先の目的だというのだ

するとトランプたちはいつも通り喧嘩を始めてしまう

お互いの数字を投げ合い、ぶつけられたカードは気絶し、数字を投げたヤツは白紙になってそれもまた気絶する

辛うじて形を保っていたトランプタワーから次々とカードが脱落していき、バラバラと崩れ落ちてしまう

山となって積み重なったカードの上でハートの４がふらふらとよろけながら立ち上がると

『"サン・カルロ劇場"』

と言い残して帽子の中に戻っていく
四人はパチパチと拍手をしてトランプ達を見送った

「サンカルロっていったらイタリアの三大劇場よね」
「えぇ、サン・カルロ劇場は、ナポリに劇場があることを望んだブルボン朝ナポリ王国の初代王カルロによって建造されたものです。ジーノというあの少年がそこにいると？」

ムーロロは立ち上がるとそういうことだ、とフーゴに頷いて見せる

「ちょいちょい、待て待てお前らッ。トランプ共の話を聞いただろ？アイツらの目的はAだったッ！何故かは知らねーがな」

ミスタはピシッとAを指差して腑に落ちないような顔を向けた

「A、何か心当たりはないんですか？貴女人に恨まれるようなことは滅多にしないタチでしょう」
「どうだか、私の殺し方に問題があるのかも」

三人はAの殺人現場を思い起こしてそれは一理ある、と考える

だが実の所Aにはその心当たりがどうしても思いだせなかった

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