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「全治三週間だそうだ。思ったより心配なさそうだな」
「ちょっとやめてよブチャラティ、怒っているでしょう」
狭い病室にガタイのいい男や少年達が並んで立っている
ブチャラティチームの面々はベッドに横たわり気まずそうな表情を浮かべて頭を掻くAの見舞いに来ていた
A達が任務中に襲われて数日後、気を失っていたAが目を覚ました
銃弾の傷を塞ぐ手術をし、何とか一命をとりとめたAに全員は安堵の息を吐いた
最も心配していたのはブチャラティだ
ブチャラティはA達を命の危険のある任務に自分を同行させずに当たらせたことに後悔していたようで、Aが目を覚ました時は誰よりもほっとしたような顔をしていたのをチーム全員が知っている
「待ってくれブチャラティ、Aの傷は俺のせいなんだよ_傷までつけちまって」
性根が腐っても彼らはイタリア男に変わりない
ミスタはAの傷を思い返して頭を抱えた
未だ成人していないこの少女の傷、どう責任を取ったらいいのだ_と
すると突然、ブチャラティはAの腹部から足までを覆っていた潔白の布団をガバリと剥いでAの着ていた病衣を胸の下まで持ち上げた
突然の挙動に全員がギョッと目を剥き、ナランチャは大胆に見えたAの肌色を見まいと咄嗟に目を手で覆う
顔を真っ赤にしたフーゴが慌てた様子でブチャラティの手を止める
「ブチャラティ!?何をして_」
「A_お前はこの傷どう思う」
至って真剣な目でブチャラティはAを見つめた
Aは腹部を見られたことに何の動揺も示さず、強い意思を感じる瞳でブチャラティを見る
「今更、弾丸なんかの傷でごちゃごちゃ言う気はない_傷を負ったのは私が自分で行った行動によるものだし、今までだって弾丸くらい何発も食らってきた。気に病むことは何もないよ、ミスタ」
優しいマンマのような微笑みを浮かべるAに満足そうに頷いたブチャラティはガシガシとAの頭を乱雑に撫でた
「だってよォ、ミスタ」
「分かってるよッ_だが、A俺が側にいる以上その体に鉛玉はぶち込ませねーぜ」
ミスタは優しい手つきでAの傷のついた腹を撫でた
ナランチャもミスタの手の上に手を重ねる
「俺もいるぜ」
アバッキオも無言で手を重ね、フーゴは苦笑いして手を重ねた
「皆_痛いから」
そう悪態をつきながらもAはケラケラと笑っていた
それはタランテラを踊りたくなるような昼下がりのことだった
完
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泡沫(ひゅーず)(プロフ) - はしまきさん» 護衛チームでナランチャの絡み多数ですね!了解しました(^^) (2018年11月25日 18時) (レス) id: 9351272389 (このIDを非表示/違反報告)
はしまき(プロフ) - 泡沫(ひゅーず)さん» ありがとうございます!字数制限で書けなかったのですが当方ナランチャ推しでして厚かましいのですが絡みを多くというのもリクエストに追加してもよろしいでしょうか?無理でしたら構いません! (2018年11月25日 18時) (レス) id: b90d5ba7ae (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(ひゅーず)(プロフ) - はしまきさん» はしまきさん初めまして〜!ホントに勿体無いお言葉ありがとうございます!リクエスト了解です、ありがとうございます! (2018年11月25日 17時) (レス) id: 9351272389 (このIDを非表示/違反報告)
はしまき(プロフ) - はじめまして、こちらの作品とても楽しく読ませていただきました(^-^)もうすでに他の方が言っているのですが本当に原作を読んでいるかのようでした!もしよろしければ護衛チームと夢主の絡みがみたいのですがリクエストよろしいでしょうか?更新、がんばってください! (2018年11月25日 17時) (レス) id: b90d5ba7ae (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(ひゅーず)(プロフ) - nagiさん» nagiさん初めまして!ミスタホントに好きなのでカッコよく書けるように頑張ってます(笑)リクエスト了解です!(^^) (2018年11月25日 17時) (レス) id: 9351272389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にいみ | 作成日時:2018年11月14日 22時