gr-2 ページ47
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読みかけのホンムルクルスについての文献、小さなカプセルに入れられた毒々しい色の生命体、散らばった実験道具。
その女の研究所には、子供が泣いて逃げ出すような物が揃って置かれている。
そんな場所に、人影が二人。
「……だから何度も言っているだろウ、僕は今暇じゃあ無いんダ。新しく大変興味深い文献を手に入れたからネ、だのに何故君は用も無くここに来ル？」
怪訝そうな声音で話す女__Aは、目の前の金髪を突き放す様にそう告げる。
だが、こんなものではい分かりましたと引き下がる男では無い。彼がそんな聞き分けの良い人間だったなら国など作っていないだろう。
「お前は自分の事を僕と言うが、何故だ？お前の事だから理由があるのだろう」
「君には耳が無いのかネ」
呆れた様に返す彼女は、もう半分諦めた様に質問に答え始めた。
「たかが一人称に三文字もかけるのは非効率的だとは思わんかネ？一文字を発音するその時間で、僕ならばそこの薬を五回分は作れル」
つまり、と彼女は続ける。
「今こうして話している事自体が無駄なのだヨ。邪魔するくらいならその脳を摘出してもう二度とここに寄り付かない様操作してやっても良いくらいダ」
もう良いかネ、と鬱陶しそうに告げた彼女とは対照的に、彼は何故か普段より些か楽しそうに言葉を紡ぐ。
「嗚呼、矢張りお前が欲しい！何故それ程の頭脳と技術があって軍に入らない？お前を手に入れた国は未来永劫繁栄すると言っても過言では無い」
眼鏡越しの鮮血を垂らした様に紅い瞳を邪悪に細めた彼は、もうこうなったら止められない。それを身を以て知っている彼女は、本当に脳を操ってやろうか、とメスを取り出した。
「煩いナ、僕は誰にも付き従わなイ。科学者だからダ」
そして、知ってるかイ？と再び口を開く。
「"今迄実在した何物よりも素晴らしくあれ。だが決して完璧である勿れ"。我々科学者はその永遠の二律背反に苦しみ続け、更にそこに快楽を見出す生物で無ければならなイ」
これは受け売りだがネ、と零す。
「だからダ。軍に入れば快楽なんてモノ何処にも生まれやしないし、二律背反すら起こらなイ。そんなのつまらないとは思わんかネ」
未来永劫だなんて、そんな"完璧""完全無欠"を求める人間は、どうあっても科学者では無いのだヨ。
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猫缶。(プロフ) - ゴミ箱さん» はい、その曲を意識しています。青谷さんの曲大好きなので、気付いて頂けて嬉しいです…！ (2020年6月19日 16時) (
レス) id: efdd73f72f (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱 - 人生なんとなく生きてきたい歌のパロ入ってますか？入ってなかったらすみません、歌詞と似たような言葉を発見したのでつい、、、 (2020年6月19日 6時) (レス) id: efe6ff4b4a (このIDを非表示/違反報告)
猫缶。(プロフ) - もちもちさん» 書きたい欲が出てしまいまして……めっちゃ急ぎ足で書いてしまいました。やっぱ詐欺師組は自分の意思消してでも残酷な手段取ると思うんだ。お気に召されたのなら良かったです！またいつでもリクエストお待ちしてます！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: efdd73f72f (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 猫缶。さん» 仕事が！！！早い！！！！はい、詐欺師組格好良かったですありがとうございました。きっちり始末はする辺りやっぱ詐欺師組。そうやって内心とは裏腹にきっちり通すところ通してしんどくなるの好き。いつも通りで一気にしんどくなりました。いつも通りね…うわあ…。 (2020年3月17日 19時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
猫缶。(プロフ) - もちもちさん» コメント・リクエストありがとうございます！詐欺師組ですね、了解しました。遅くなってしまうかも知れませんが、精一杯書かせて頂きます。 (2020年3月17日 14時) (レス) id: efdd73f72f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫缶。 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fusan11302/
作成日時：2020年3月16日 23時
