九話目 ページ12
sha side
あの後さっさとメイクを落として貰い服を脱いで片付けていると、彼女の着替えとメイクが終わったようで、大きな歓声が教室の隅から聞こえてきた。
金色の装飾が揺れる帽子から覗く、シンプルなミントグリーンのリボンでゆるくサイドに結ばれた黒い艶やかな髪。
黒にリボンと同色のラインが入った短めの軍服風のジャケット、その下から伺える細くくびれた腰。
斜めにカットされた黒いスカートには、これまたミントグリーンのラインが入っており、帽子と同じ金色の装飾が施されている。それから覗く足には黒タイツが装着されており、黒い編み込みブーツ付き。
顔には簡単なメイクが施されていた。
元々大きい瞳を縁取る睫毛は更にアイメイクによって大人っぽくアレンジされ、その形の良い唇には男を誘惑するような桃色のリップ。
何よりも目を惹いたのはその頰。黒色の蝶型のメイクシールが貼られてある。
元々メイクを余りしていなかった彼女は、その持ち前の素材の良さで天使とも悪魔とも捉えられる、なんとも言えない美しさを感じさせる。
………もう、うちのクラスの出し物彼女だけで良いんじゃ無いかとさえ思いだしていた。
「……え、Aちゃん本当に同じ人間…?最早天使とか女神とかそういうレベルなんだけど。実在したんだ」
「これ集客力ヤバくね…?俺成瀬さんに接客されたい」
そんな友人達の感想も、あながち間違いでは無くしてしまうのだから恐ろしい。
俺だって例外では無い、普段から何もしなくても美人なのにメイクして衣装変えた途端化けるとか何それ好き……惚れ直した……。
ん?とそこまで考えてから気づく、え、今俺惚れ直した……好きって……。
一気に顔に熱が集まるのが分かる。あーそうか、成瀬に名前呼ばれただけで心臓ヤバかったのこれが原因かくっそー……。
紅くなった顔を隠すように頭を抱えて蹲る。
この時、初めて俺は自分の恋を自覚したのである。遅すぎやろ。
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rbrさんの"天"の布
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カランコエ(プロフ) - 彼等の意見と視聴者の意見を合わせることは意味のないことです。だって彼等は自分達の信念的?なものが揺るがないタイプだからです。結論は、自分がこの小説を書きたいかどうかです。私の意見としては、続きが気になりますが、やりたくないならやらなくてもいいんです。 (2020年4月19日 19時) (レス) id: 6a8b756810 (このIDを非表示/違反報告)
猫缶。(プロフ) - おこめさん» よきかなよきかな。これからも宜しく頼むぞい白米。 (2020年1月30日 20時) (レス) id: efdd73f72f (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - なんだろね…推しだから嬉しい…ありがと猫の缶の。 (2020年1月30日 19時) (レス) id: 74bc87251f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫缶。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fusan11302/
作成日時:2020年1月9日 21時