ｱﾅﾀ&ﾌｸﾗ ページ9
真冬のはずなのに、どうしてこうも満員電車とは暑いのか。
今日は休みが合った彼とデート。
平日に休みなんて久々だね。
なんて言ったのは彼で、
少し遠出しようよ。
なんて言ったのは私。
9時に駅で待ち合わせをして2人で電車に乗って数駅。
ある駅で何十人もの人が乗り込んできた。
いわゆる通勤ラッシュだ。
(失念してた…)
平日、朝、電車。
これらはサラリーマン、学生たちにとって不快指数を爆上げさせるワードだ。
次々に押し寄せる人の波によって、私と拳さんは反対側のドアまで流された。
(拳さん大丈夫かな)
彼は肩幅はあるものの、薄い。
潰されていないだろうかと顔を上げる。
「A、大丈夫？」
思っていた以上に近い距離に、一瞬心臓が止まりそうになる。
「うん、平気。拳さんは？」
「俺も大丈夫」
なんとか平静を装って応える。
(でも、これ、近すぎっ…)
身体はほとんど密着していて身動きが取れない。
拳さんの呼吸や鼓動が感じられて、恥ずかしくなってくる。
(でも、滅多に外でくっつけないし…)
ちょうどいい機会だと、電車の揺れに身を任せることにした。
変な力が抜け、さっきより近くに拳さんを感じる気がする。
「…A」
「ん、なに？」
「…あー、いや、なんでもない、うん。」
「そう？」
その状態のまましばらく電車に揺られる。
こんなにずっと拳さんとくっついていられる。
幸せだ。
「…A、」
「ん？」
「あー、あのさ、今日泊まっていきなよ。」
朝からお誘いを受けるのは初めてだった。
ただでさえ暑いのに、さらに顔に熱が集まる。
…まさか、もうちょっとくっついていたいっていう私の心が読まれてしまったのだろうか。
「ごめん、これから遊びに行くのに。でも、これはAがずるい。」
少し拗ねたように告げられる。
ずるい、の意味はわからないがどうやら拒否権はなさそうだ。
無論、拒否なんてするわけない。
「…ん、わかった」
拳さんは返事を聞くと、私の肩に頭を埋めた。
かわいい。
普段は絶対外でこんなことはしないのに。
「拳さん…？」
《Aがかわいいから俺、心配だよ》
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みな(プロフ) - ｢重いの｣という別れの言葉についクスッと笑ってしまいました。たしかに、川上さんは彼女さんを溺愛しそうですよね。どのお話も大好きです。これからも応援しています！ (2019年3月23日 2時) (
レス) id: 5b9d9394ea (このIDを非表示/違反報告)
茶之助丸(プロフ) - ありがとうございました！お世話いいですよね！私は山本さんを見ていると貢ぎたくなります笑 (2019年2月9日 12時) (レス) id: 1cdd5a0197 (このIDを非表示/違反報告)
しるく(プロフ) - 白さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！これからものんびりと書いていくので、よろしくお願いします。 (2019年2月9日 8時) (レス) id: d8286f6b99 (このIDを非表示/違反報告)
白 - このお話が大好きで何回も読み返してます...笑川上さんが好きなので、川上さんのお話がもっとみたいです...！内容は、作者様の描くものならどんなものでもすきなので、おまかせします笑更新楽しみにしてます！ (2019年2月9日 0時) (レス) id: 1d8409ab19 (このIDを非表示/違反報告)
しるく(プロフ) - 茶之助丸さん» ありがとうございます！定期的に病み、闇を書きたくなるので近いうちに書かせて頂こうと思います。 (2019年2月7日 21時) (レス) id: 5fa0f8094f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しるく | 作成日時：2019年2月4日 23時
