不良少年Ⅱ (ページ16)

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山井「Aさん！」

「山井くん！ごめんね、来てくれてありがとう」

山井「いえ！助けていただいたご恩がありますし、力になれるならなんでもやりますよ！」

「ありがとう。怖いかもしれないけど安心して。ちゃんと見張ってるし危ないときは助けるから！」

山井「はい。わかりました」

決行日当日、パタパタと駆け寄ってくる山井くんとお話する

ニコッと笑顔を浮かべる姿がとにかく可愛い！可愛すぎる！

こんな子を巻き込んでしまうことに若干心は痛むけど、力になりたいと言ってくれるなら喜んで甘えよう

「それより、ちょっと前から気になってたんだけど…」

山井「なんでしょう？」

「…私、山井くんに名前言ったことあったっけ？」

ずっと気になっていた。最初は“お姉さん”と呼んでいたのにいつの間にか“Aさん”になっていることが…

私の記憶の中では、名前を伝えた描写はない

もしかしたら私が覚えてないだけで伝えてるのかもしれないけど、それが妙に気になった

山井「…Aさんのことは、助けてもらう前から知ってますもん」

「え？でも、私達が会ったのってあの日が初めてじゃ…」

山井「そうですね。Aさんに会ったのは俺もあの日が初めてです」

「じゃあなんで…」

山井「いつかわかりますよ。それより早く行きましょ？チャンスが無駄になっちゃいます！」

軽く首を傾げて先に歩いていく山井くんの後ろを追いかける

結局何もわからなくて、更に謎が深まるばかりだった