不良少年Ⅱ (ページ14)

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ニコニコと笑顔を浮かべる水本さん、それとは正反対に上手く表情が作れず引き攣る私

それを見ながら何がなんだかわかっていない様子の青木と檜山

水本さんとは、私が通っていたお嬢様高校…アマリリス学園の同級生だった

水本「こんなところで偶然会うなんて、驚きですね」

「…私も、ビックリです」

水本「そうだ！私、あれから生徒会長に就任したんです」

「そう、おめでとうございます」

彼女は私の言葉に満足するように微笑むと、鋭い視線で品定めするみたいに私を頭から足の先までじっくりと見る

そして、へぇ…と含み笑い。私を見下してるのは一目瞭然だ

水本「それにしても佐倉さんったら…あの頃とは全然違いますね」

「私だって変わるよ」

水本「そうですか…堕ちるところまで堕ちたんですね」

檜山「…お前、さっきから黙って聞いてれば何言って」

「檜山！…良いから」

水本さんが吹き出すようにして嘲笑う

それを見ていた檜山が私の前に割って入ってきたけど、この場で感情的になるのは避けたかった

私は檜山の腕を掴んで、余計なことを言うなと制止する

檜山「でも、！」

「水本さん、もう行くね」

水本「ふふっ、男性を侍らせるなんて滑稽ですね。まあ…佐倉さんに合ってるんじゃないですか？そういう汚い生き方が」

青木「は？それどういう意味だよ。Aは…！」

「青木もう良いから。行くよ」

突っかかっていこうとする青木の腕を引いて、水本さんから離れるように足を動かす

青木と檜山はそれ以上、何も聞いてこなかった

心が黒い感情に埋め尽くされそうで、今日もきっと…あの日の悪夢を見るんだろう