A secret. ページ6
ーside meー
部屋に入り、最上階のBARに行く前に運び込んだ妨害電波を発する装置の電源を入れる。
その機械が高い音を発しはじめ、ライが扉を閉めたところで口を開いた。
「皆さん既にお気づきだと思いますが、襟の裏、ズボンの裾の裏に盗聴器とGPSがありますので、それらを壊してください」
日本語で指示をすると、案の定、公安2人は目を皿のように大きく開け、一瞬絶句した後、こちらを怪しんで睨むような目付きになった。対照的に、FBIの男は微笑している。
特にバーボン、否、降谷さんの目付きは触れれば傷が着きそうなほど鋭い
しかし驚くことに3人とも従順に盗聴器を身から外し始めたのだ。
これは面白い反応だなぁ、
こんな密室で、自分の敵の指示の通りに行動するなんて。
普通なら腰のホルスターに入ったソレで、私をすぐ消そうとするだろうに…
「あんた…俺達の素性が分かってる…のか?」
スコッチが日本語を使っておずおずと聞いてきた。
随分動揺しているようだ。
「皆さん有名人でいらっしゃるので、存じていましたよ。そんな事はさておき…それ、ちゃんと壊したらそこの黒いボックスに放り込んでくださいね。」
備え付けのアンティークカップにインスタントコーヒーを淹れ、華奢な造りのローテーブルに置いた。
「さて、どうぞおかけになってください。インスタントですが、コーヒーにミルクと砂糖を入れる方は?」
わざと含ませた笑顔を向けてみると、やはり降谷さんが食いついてきた。
「コーヒーなんてどうでもいい。俺達の事を調べてどうする気だ?組織に売るか?」
割と喧嘩っ早いのだろうか、この人は。
ただ短気なだけか?
「そもそも、ライもここに居る時点で組織には既に…」
おろおろと諸伏さんが呟く。
あれ、3人ともお互いの素性は知り合ってるんじゃないんだ
私と公安の視線がライもとい赤井さんに集中した。
赤井さんはこれみよがしに大きくため息を吐くと、懐からシガレットケースを取り出した。
「煙草を吸っても?」
「えぇ。火をお貸ししましょうか?」
いや、いい と、細い手巻きの煙草を口に咥えて、マッチでスマートに火をつける。
白い煙が2度空に浮いたところで重々しく彼は口を開いた。
「俺は連邦捜査局、FBIの捜査官だ。」
「「 FBI ?!!」」
ナイスシンクロと言いたくなるくらいふたりの声が見事に合わさった。
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よしのん - すごい好きです。応援してます! (2022年4月19日 12時) (レス) @page32 id: e3b8c03485 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです!続き待ってます!! (2022年4月18日 19時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいすな - 夢主のキャラ大好きです。新人との関係気になります! (2019年2月16日 22時) (レス) id: a004368014 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者A | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/zero1632
作成日時:2018年12月26日 7時