それぞれの朝 ページ41
ランドリールームに行く途中、開けっぱなしの洗面所を覗くといつものように大の男3人が渋滞していた。
これからシャワーに入ろうとしているのだろうスコッチが服を脱いでいる隣で、バーボンがボクサーパンツ姿で髪を乾かしている。
洗面所の前では歯ブラシを手に持っているライがチューブを手に取ろうとしていた。
「こんな時間に起きてきて、たるんでるんじゃないですか?」
バーボンがドライヤーを止めてライに食ってかかる。
「俺が何時に起きようとお前には関係ないだろう」
「この忙しい時間に洗面台を占領するじゃないですか。邪魔なのでさっさと退いてください。いつもこの時間に僕たちがここ使うのいい加減知ってるでしょう、もっと早く起」
「朝からキャンキャンうるさいな。スコッチ、そのパピーを少し黙らせろ」
説教の途中でそう言って歯ブラシを加えるライ。
彼の一言でバーボンはさらにヒートアップ
言い合う二人越しにふとスコッチと目が合い、お互いに目線で「困ったものだ」と会話した。
洗濯物を乾燥機に移し、一部の下着などを吊り干ししてリビングに戻った。
カウンターで少し冷めたオートミールを口に運びながら、経済紙を読む。
いつの間にか濃色のズボンを穿きシャツの前をとめているバーボンが歩いてきた。
「昨日の経済界はなにか動きがありましたか?」
そう聞いて冷蔵庫から水を出して一気に飲む彼。
「いえ、特には。そう毎日問題があったら私は分身でもしないとやっていけませんよ」
私の答えに軽く笑いながら、庫内から昨晩の残りであろう煮物らしきものを出して電子レンジに入れた。
「昨日は何だったんですか?」
「肉じゃがです」
「肉じゃがかぁ」
この人に対する偏見も少し消えた。手先も器用で容量もいいので何でも簡単に作ってしまうのだ。
どちらかが夜に仕事がないときは美味しい夕食が食べられる。
ライが着替えに二階に戻っていき、続いてスコッチがタオルで頭を拭きながらやってきた。
「いつも食ってるけど、その沼みたいなやつは何?」
「オートミールですよ。食べたことないですか?」
「ない。それ味するの?」
「塩ふってるので塩味がします。食べますか?」
「いや、いいよ」
眉を寄せ、見るからに嫌そうな顔をした。
「今日は午後から長距離狙撃訓練でしたよね?」
空の食器をシンクに置き、新聞を軽くたたみながらそう問う。
「はい。11時から新宿で」
「よし、じゃその前に仕事片づけますか」
椅子から立って大きく伸びをした。
290人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よしのん - すごい好きです。応援してます! (2022年4月19日 12時) (レス) @page32 id: e3b8c03485 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです!続き待ってます!! (2022年4月18日 19時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいすな - 夢主のキャラ大好きです。新人との関係気になります! (2019年2月16日 22時) (レス) id: a004368014 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:作者A | 作者ホームページ:https://plus.fm-p.jp/u/zero1632
作成日時:2018年12月26日 7時