431話 ゼロの執行人 ページ32
すぐに準備が整ったようで、プラスチック爆弾を抱えたドローンが上昇し、飛んでいくのが見えた。
爆発させるタイミングは、灰原が計算しているようだ。
そして、ドローンを動かしているのは少年探偵団の3人。
小さな子供たちに、日本の未来が託されている、なんてどこのアニメの話だよ。と薄ら笑いが浮かんだが、そもそもここがアニメの世界だったんだと思い直す。
《あれ？機体がフラつきますね》
コナンが持っている探偵バッチから子供たちの声が聞こえてきた。
《博士の荷物が重いんじゃない？》
《もうその辺に置いていこーぜ》
…それだけはやめてくれ…。
《い、いかん！その荷物はワシの大事な大事な宝物なんじゃ！》
博士の焦った声が聞こえてくる。
《誤差の範囲は、半径10メートルくらいまで絞り込んだわ。ドローンからの映像を貴方におくるから、タイミング調整はそっちでよろしく》
「ああ。頼む」
冷静な灰原からの指示に、コナンも冷静に返す。
《でも本当にいいの？私たちがはくちょうのカプセルを近くで撮影しちゃって》
歩美の不安そうな声が聞こえてくる。
「大丈夫。警察から許可は出てる」
コナンは零さんを見上げた。
「公安警察だけどな」
2人の背中がとても頼もしくて、どこか眩しくて…、俺は目を細めた。
俺はこの世界ではあまりに無力で、この隣には並べない。
そう痛感していたとき、夜空にオレンジ色の光が差し込んだ。
眩い輝きを放つそれは、今にも燃え尽きようとしているはくちょう。
それに目を奪われている視界の端で、零さんはイヤフォン越しに誰かと話しているようだ。
顔つきがいつもより険しい。
風見さんではないようだ。
「…了解」
おそらく、零さんより上の立場。
もしかしたら、裏の理事官だろうか…？
「安室さん、これでタイミングとれる？」
コナンがドローンの映像が映し出されているスマホを零さんに渡した。
「ああ」
《カプセルに近づきます！》
光彦の声がバッチから聞こえた。
ここからは集中力との勝負だ。
邪魔をしないようにと俺は一歩後ずさった。
「A」
だが、名前を呼ばれてビクッと足を止める。
零さんは何も言わないが、目線だけでわかる。
俺は躊躇いながらも零さんの隣に立った。
隣に立っても、いいのか…。
でも、彼がそれを望むなら…。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます！人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (
レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます！ずっと読んでいただけて嬉しいです！それも面白そうですね…！ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います！ (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます！長いのに、ここまで読んでくれたのですね…！お疲れ様です！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！ (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年7月13日 14時
