【名探偵コナン】異世界の訪問者9《男主》

415話 ゼロの執行人 ページ16

これは全部、IOTテロ。
犯人はネットにアクセスできる電化製品を無差別に暴走させてる。


ネットの接続を切れば、暴走は止められるはずだ。

でも、何のためにこんなテロを…？
サミット会場の爆発も、動機が分からない。



そのとき、車のクラクションが聞こえた。


路肩に停められたその白い車の助手席に俺は乗り込んだ。



「…盗聴されてるのをいいことに、迎えに呼び出すな」


運転席で呆れる零さんに笑いかける。

コナンが盗聴されているのを利用して、迎えに来てもらったのだ。



「…それにしても、IOTテロか」


コナンが報告したのを、零さんは聞いていたんだろう。


「お前はもう全部分かっているのか？」

『いいや、動機はまったく。犯人に目星はついているけど、確信はまだ』

「…お前も恐ろしい男だ」

『そんなんじゃないよ。俺の場合、ちょっとみんなと違うから。この世界の人間じゃないってこともだけど、第6感ってやつとかね』


自嘲めいた笑みを浮かべて肩を竦める。



『これでももどかしいんだよ？俺が今、犯人を告げれば、事件はきっと早く解決する。でも、それはこの世界を歪めることになりかねない』

「…わかっているさ。僕がお前の立場だとしても、きっと同じように動く」


零さんは、全部受け入れてくれるから。
それに甘えてしまうけど、本当はこの境遇に押しつぶされてしまいそうだ。


「少し、ここで待っててくれ」


車は路肩に停められ、零さんは傘も差さずに外へ出て行ってしまった。


スマホでニュースを見ると、速報が出ていて、一連の事件はIOTテロの可能性が高いと警視庁が発表した、と速報が出ていた。


これで事件化には成功した。
毛利さんは解放されるだろう。



あとは犯人が捕まって終わる…はずだけど…なんだろう…。
この腑に落ちない感じは。


そうだよな…これは劇場版だ。
こんな簡単に終わるわけない。


観覧車の銃撃戦に比べたら、こんなの生易しすぎる。


絶対、まだ何かあるはずだ…。




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