412話 ゼロの執行人 ページ13
「毛利小五郎の事となると、君は一生懸命だね。それとも…蘭姉ちゃんの為かな?」
挑発するようにコナンを見下ろす零さん。
そのとき、ある気配が近づいてきたのに気づいた。
「構わない。出て来い」
零さんに指示され、出てきたのは風見さん。
「なぜ私を呼んだんです?…降谷さん?」
零さんが何も言わないことに不安を覚えたのか、風見さんはおそるおそる名前を呼ぶ。
コナンがいるのに、軽々とその名前で呼んじゃいけないだろ…と心の中で風見さんにツッコむ。
零さんはようやく風見さんに向き直る。
俺の位置からは見えないが、その形相は恐ろしいものだったのだろう。
風見さんの表情が引きつっている。
零さんはツカツカと風見さんのもとへ歩き、彼の右腕を掴むと捻りあげた。
「う…っ」
風見さんが痛みに呻く。
そんなのはお構いなしに、零さんは風見さんの右袖の裏から、盗聴器を外した。
それを見た風見さんの表情は驚愕に染まる。
「これでよく公安が務まるな?」
冷徹な声が、びりっとその場の空気を凍らせるかのようだった。
怖ぇー…、容赦ないな…。
まぁ、俺も部下が盗聴器なんて仕掛けられるヘマをやらかしたら、叱咤どころじゃ済まないかもだけど…。
「す…すみません…」
零さんは盗聴器を指で押しつぶして破壊すると、風見さんの腕を離して去っていってしまう。
「待って…!」
コナンはスケボーを脇に抱え込むと、零さんの後を追った。
俺も立ち上がると、急ぐことなくその後を追う。
どうやら、零さんの姿はもうなくなっていたらしく、橋の上でコナンが佇んでいた。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時