396話 ゼロの執行人 ページ47
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「現場の高圧ケーブルが入った格納扉から、おっちゃんの指紋が見つかって、おっちゃんのパソコンからはサミットの予定表と国際会議場の見取り図が見つかったんだ」
公園のベンチで、コナンから詳しく経緯を聞いた。
『なるほど。明らかに仕組まれてる』
「これは事故じゃない。真犯人が見つかるまで、公安である安室さんがおっちゃんを犯人に仕立てたんだ。もっと詳しく調べられるように。おっちゃんはもともと刑事だし、指紋も警察のデータベースに残っているはず」
え。毛利さん刑事だったの…?
知らなかった。
「公安警察なら、現場に指紋を残したり、パソコンに細工をして資料を残すこともできるよね」
鋭い視線が俺を射抜いた。
『……そういう違法な作業も仕事だからな』
ここで嘘をついてもしょうがない、と正直に答える。
「Aさんもしたことあるの?」
『…まぁね』
目を逸らす。
以前似たような状況があり、テロだと勘付いた俺は犯人を仕立て上げた。
その人物は、別の路線で手配されていた人物だった為、そこからボロが出て結局逮捕したのだが、そのときの事件は当時活発化していた小さな組織による爆破テロだった。
無事に突き止め、事件は解決したが。
『これからどうするつもり?』
「…おっちゃんの無罪を証明しないと。蘭はきっと、妃先生のところに行く」
『そっか。妃さんは弁護士だったね。でも、身内の弁護は出来ないんじゃない?』
「ああ。だから代わりの弁護士を捜すことになると思う」
『ま、頑張ってよ。その分野じゃ、俺が協力できるようなことはないと思うから』
「でもAさん、安室さんと住んでるんだから何か情報は入るよね?」
『…組織とか公安の話は、あの人からはほとんど聞かないよ。だから情報を得ることは出来ないと思うけど?』
暗に、大々的に協力はできないと伝える。
『かといって、俺に盗聴器をつけるのもなし』
俺の袖に伸びていたコナンの手を捕まえる。
その指先にはボタンサイズのシール型盗聴器。
『まったく。油断も隙もない』
「ちっ…。やっぱ無理か」
『何かあったらちゃんと連絡して。出来ることなら協力するから。あと、これからの展開も細かく報告してくれたら嬉しいな』
「…わかったよ。その代わり…」
『安室さんには言わない。分かってるよ』
コナンの安室さんへの信頼度は、今ガタ落ちしてるんだろう。
これ、終わったら関係修復するんだよな…?
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時