388話 ケーキが溶けた! ページ39
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「最初から崩れている、半熟ケーキ」
差し出されたのは、萎んだスポンジにクリームとベリーが乗ったパンケーキのようなケーキ。
俺の周りにみんなが集まり、そのケーキを見つめる。
「なんか、萎んだケーキみたいですね」
「わざとそう作ってあるんだ。でも、中のスポンジにはちゃんと火が通ってるんだよ」
そう言いながら、安室さんはケーキにナイフを入れた。
すると中からとろりとした生地が。
思わずごくりと唾を飲む。
「え、安室さんが言ってた解決策って…」
「うん。これなら、初めからクリームが塗ってあるケーキと違って、生地とクリームを別々に分けて保存できる」
「あ、それなら型崩れの心配がない」
「そう。あとはお客さんに出す前にクリームとフルーツを乗せるだけ」
「それなら、そんなに手間はかかりませんね!」
「それにこれなら、あのケーキ屋さんのケーキと差別化できるでしょう?」
いつの間にこんなケーキ考案してたんだ…?
家ではいつも通りだったのに。
「安室さんって、ケーキが崩れた原因じゃなくて、崩れないケーキのレシピをずっと考えてたの?」
「そうだよ?だって、それが僕の仕事でしょ?」
その言葉に、コナンは若干呆れ顔だ。
潜入先でも手は一切抜かないのは分かるけど、零さんはきっと楽しんでいるんだろうな。
このポアロでの、平和な日常を。
そのとき、ドアベルが音を立てて毛利さんがやってきた。
「お!なんか美味そうなもんがあるじゃねぇか!」
「じゃあ、ぜひ皆さんで試食してみてください!」
こうしてみんなで試食することになったのだが…。
『…美味い』
前回の溶けたケーキより、美味しさが増している。
とろとろしていて、食感も新しい。
他のみんなも、半熟ケーキを絶賛していた。
俺の隣に座るコナンも、目を輝かせて頬張っていた。
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時