【名探偵コナン】異世界の訪問者8《男主》

375話 ページ26

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「ずっと、聞きたいことがあったんだが」

『ん？何？』



俺の右手首に包帯を巻きながら、零さんは口を開いた。


表情が真剣だ。
何を聞かれるのかと、思わず身構える。




「その…、お前の初体験って、いつだったんだ？」

『……は？』



予想の斜め上の質問に、間抜けな声が出た。




「いや…今日、お前が女性と腕を組んでるのを見て、ふと気になったんだ。…恋人とか、いたことあったのかって」

『…やっぱり嫉妬してたんだ？』


思わず苦笑してしまう。




「そんなんじゃない…」

『まぁ、いいや。恋人がいたことはないよ。…初体験っていうのは…女と男、どっち？』


そう言うと、複雑そうに眉を寄せる零さん。



『…女と寝たのは…中学生のとき。火遊び、みたいな？』


いつかは、言わなきゃいけないときがくるかな、とは思っていたけど…。

言ったら、軽蔑されるかもしれない。
そう思っていたけど、今の零さんなら…。




『どんな俺でも、受け入れてくれる？』

「…当たり前だ。でも、言いたくないなら別に」

『ううん、言わせて。嫌われてもいいから、知って欲しい』


包帯の巻かれた右手首をさすりながら目を伏せる。




『両親が殺されて、俺は8歳のときに施設に引き取られたんだ。…男との体験は、その施設で11歳のときだよ』




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