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368話 ページ19

『…少し下がってて』



まだ、何かあると確信したわけじゃないが、長年付き合ってきた勘が、何かあることを告げている。


蘭と緒川さんを後ろに下げて、ゆっくりとドアノブを回した。




『っ……』


部室に広がる光景に眉を寄せる。



「どうしたの、黒っち。何が――…」

『見ちゃダメ!』


とっさに庇うが、遅かったようだ。




「きっ…きゃああああ!!!」



緒川さんはしっかり見てしまった。


部室の中で天井からぶら下がり息絶えている、糸井の姿を。




「く、黒瀬さん、これ…っ」

『蘭さん、警察に連絡を』

「は、はい…!」


しゃがみこんでしまった緒川さんの背中を撫でながら指示を出す。




「どうしたんですか?」

「部長いました?」


ぞろぞろとさっきのバスケ部員たちが戻ってきた。



『待って。入らないでください』

「え?何?何かあったの?」

「い、糸井が…っ!死んで…っ」



緒川さんの言葉に、部員たちがざわつき始める。



『とりあえず、誰もここから動かないで』


部員たちにそう言って、俺は部室の中に入った。




一見すると、首吊り自 殺だ。
太い縄が首に巻かれ、足元には倒れたパイプ椅子。


それに…ベンチの上に、遺書のようなもの…。




「おい、何の騒ぎだ!こ、これは…!」


入ってきたのはジャージを着た若い男性。



「せ、先生!」


どうやら、バスケ部の顧問の先生らしい。




「い、糸井…!お前!誰だ!」


糸井の遺体を見た顧問は、すぐに俺を睨みつける。



『…黒瀬A、探偵です。そこにいる、緒川菜月さんに依頼され、調査に来ました』


正しくは探偵助手だけど、説明が面倒くさいし、探偵ってことにしとくか…。



「探偵、だと…?」

『詳しい調査内容は言えませんが…、この様子だと、調査どころじゃないか…』


部室内を見渡して呟く。




警察が来るまでは、とりあえずこのままにしておいた方がよさそうだな。




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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時

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