検索窓
今日:172 hit、昨日:324 hit、合計:975,318 hit

351話 ページ2






目が覚めると、知らない天井が見えた。


ベッドに寝かされているようだが、マットが硬くて体が痛い。



「…目が覚めたか」


気を失う前に聞いた声がすぐ近くから聞こえた。


慌てて起き上がろうとしたが、体がだるくて言うことを聞いてくれない。




「無理しないほうがいい。だいぶ熱が高い」



そう言いながら、男は冷たいタオルを俺の額に当ててくれた。


痛む頭を抑えようと、右手を動かすと、手首に違和感と金属の音。


視線をゆるりと動かすと、右手首には手錠がつけられ、ベッドに繋がっていた。




「すまないが、拘束させてもらってる。君が何者か、まだ判断できていないからな」

『…どうして。…ここ、セーフハウスだろ…。知らない人間をこんなところに上げて、挙句看病なんて…』

「目の前で倒れられて、放っておくわけにもいかなかったからな。それと、君の持ち物は全部預からせて貰ってる」



持ち物…?
俺、何を持っていたんだ。




「これ、君の?」



男が差し出したのは、懐かしい拳銃。


組織時代、俺が使っていた自動拳銃、シグザウエルP230。




「一般人が持つものじゃないと思うんだけど、君、何者?新入りが入る話は聞いてないし、それに…さっき俺の名前、知ってたよな」



やっぱり、この人は……スコッチさん。



じゃあここは…名探偵コナンの世界のままだけど、過去、ということか。


とりあえず…このまま疑われたら侵入者として消される。



スコッチさんがまだ生きている時代ということは、バーボンやライもここにいる。



日本の公安警察だと話しても、この世界の警察じゃない。
バーボンとスコッチさんに話したところで、ますます疑われるだけ。



過去の零さんは、まだ俺のことを毛ほども知らない。
少しでも間違えれば容赦なく殺される。

よくて警察に保護されるコースだが、銃刀法違反で捕まる可能性も高い。



さて…どうする…。
ここで起こったことが、未来に影響する可能性もないとは言えない。


おそらくこの状況は、灰原から貰ったあの薬が引き起こしたもの。


夢にしては、体調の悪さが生々しいし、何より頭が痛い。




精神だけが、過去の世界に飛ばされた、とでも考えるべきか。




352話→←350話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (550 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1186人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。