339話 ページ40
「黒瀬さん、今いくつでしたっけ?」
『25だよ』
「…まだまだこれからなのに、なんでその若さでもう辞めちまったんだ?」
怪我だとか、挫折しただとか、嘘の理由はたくさん浮かぶけど、キッドにも言っておいた方がいいか。
これから関わる確率は高いとは言えないが、一応。
『死んだからだよ』
「…は?」
やっぱりみんな、同じ反応するんだなぁ…。
『…説明するより、今は見てもらった方が早いか』
ジャージのファスナーを下ろし、下に着ていたシャツの襟元を下げ、胸元を見せた。
俺が死んだ証の銃創を。
『心臓を撃たれて、俺は一度死んでるんだよ』
快斗は信じられない、といった表情で目を見開いて銃創を見つめている。
「く、黒瀬さんって…ゆ、幽霊、とか…?」
『…はは、まぁ、そうなるのかもしれないね』
元の世界の俺は、墓に入っているし。
『俺は、こことは違う、別の世界から来たんだ。神様からのご褒美なんだって。前の世界で、自分を犠牲にして動いていた俺への』
「そんなこと、あんのか…」
『俺もよくわからないけど』
ファスナーを上げながら苦笑する。
『それでも、この世界でやりたいことがあるし、守りたい人もいる。この世界に来ることができてよかったと思ってる』
「…まぁ、確かに黒瀬さんって、どこか違う感じしてたし…そうか、そういうことだったのか…」
違う感じ、出てしまっているのか…。
「俺の正体がすぐわかったのは…なんで?」
『…俺の世界じゃ、この世界は漫画なんだ。だからだよ』
「…まじかよ。なんか頭の中ごちゃごちゃしてきた…」
ぐしゃぐしゃと髪を搔き乱す快斗。
『まぁ、そんな深く考えなくても、この世界には多分影響はないし、俺は俺のままだから、これからもよろしくしてくれたら嬉しいんだけど?』
「…黒瀬さんは、物語を変えることはしない。だから俺の正体を誰かに明かすことはない。そう捉えていいんだな?」
『そういうこと』
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096 - ayumigomaさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで嬉しいです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします! (2019年6月7日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
ayumigoma(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています。頑張って下さいね(〃ω〃) (2019年6月7日 0時) (レス) id: 364bfd5e94 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただける小説を書きたいと思いますのでよろしくお願いします! (2019年6月4日 12時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - いつも楽しませてもらってます。これからも応援してます。続き楽しみです! (2019年6月3日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - シズキさん» そこまで言っていただけるとは…!本当に嬉しいです!!これからも、飽きさせてしまわないよう、試行錯誤して書いていきますので、よろしくお願いします!こちらこそありがとうございます!! (2019年6月3日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年5月23日 22時