308話 ページ9
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『ん……』
体の痛みで目が覚める。
冷たいコンクリートの感触と薄暗い周囲。
微かに潮の匂い…。
両手と両足は縄で縛られていた。
どうやらここはどこかの倉庫で、俺は地面に転がされているらしい。
「目が覚めたか」
低い男の声がした方へ意識を向ける。
黒ずくめの組織の幹部、ジンがタバコを吹かしながら椅子に座り、俺を見下ろしていた。
傍らにはウォッカ。
いつかこうなる気がしてはいたが…どうしたらいい？
「バーボンを知っているな？」
口を開いたのはウォッカだった。
唇を引き結び、沈黙を貫く。
拷問には慣れている。
このまま何も喋らず、彼が来るのを待つか…それとも、何も知らないを貫き通すか。
しかし後者はおそらく難しい。
昨日、俺と彼が一緒にいるところを目撃されているだろうから。
そして俺はさっき、重大なミスを犯した。
「俺たちのこと、知ってるな？」
次に口を開いたのはジンだった。
「さっき、俺の名前を呼んだだろ。なぜ知ってる」
そう、それこそが俺の犯したミス。
目の前に急に現れたジンに動揺し、とっさに名前を呼んでしまった。
「…何も喋らないつもりか」
立ち上がったジンは俺に近づき、ぐいっと俺の前髪を掴んで顔を上げさせた。
『っ…』
「全部吐け。そしたら楽にしてやる」
吐いても吐かなくても、どっちにせよ殺されるんだろう…。
『…あんたたちのことを知っているのは…偶然で、あの人は何も関係ない…』
「バーボンのことか。あいつが組織のことを喋ってんなら、見過ごすわけにはいかねぇ」
『だから違う！あの人は…何も教えてくれない…！』
組織のことを自分から話してくれた事なんてないんだから…。
「ふん…どこまでも秘密主義者なヤローか」
俺の髪から手を離すジン。
「まぁいい。次はお前が何モンか、教えてもらおうか」
『…俺はただの一般人だ』
「一般人が、こんなもの持ち歩くかよ」
ジンが、ウォッカが取り出したものへ目線を向ける。
そこには、博士に譲ってもらった拳銃。
といっても空砲しかでないが。
「どっかの諜報機関の人間か？日本の警察か？」
『…はは、それはエアガンだよ。なんなら試してみれば？』
「…アニキ、弾は入ってませんぜ」
その報告にジンは舌打ちをかます。
『分かっただろ？さっさと解放して』
だが俺の要求は受け入れられず、ジンは懐から銃を取り出し、俺に向けた。
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096 - ayumigomaさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているようで嬉しいです！頑張ります!!これからもよろしくお願いします！ (2019年6月7日 22時) (
レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
ayumigoma(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています。頑張って下さいね(〃ω〃) (2019年6月7日 0時) (レス) id: 364bfd5e94 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます！これからも楽しんでいただける小説を書きたいと思いますのでよろしくお願いします！ (2019年6月4日 12時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - いつも楽しませてもらってます。これからも応援してます。続き楽しみです！ (2019年6月3日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - シズキさん» そこまで言っていただけるとは…！本当に嬉しいです!!これからも、飽きさせてしまわないよう、試行錯誤して書いていきますので、よろしくお願いします！こちらこそありがとうございます!! (2019年6月3日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年5月23日 22時
