225話 ページ26
そろりと姿を現すと溜息を吐かれた。
『なんとなく…。貴方がいるとは思わなかったけど』
彼の気配を感じ取るのは、さすがというべきか難しい。
「早くここを出たほうがいい。危険です」
組織の人間が、俺の存在を知ることを恐れているのだろうか。
彼はあまり組織について話さない。
そんな俺が今ここでバーボンと接触していることは、彼の足を引っ張っているのだろう。
『…わかった。貴方も気をつけ――…』
大人しく去ろうとしたとき、窓の外に見える高層ビルの屋上がチカッと光ったのが見えた。
感じた殺意の先が狙うのは――…。
『危ないッ!!』
とっさに、彼を庇う様に立ちはだかった。
「っ…!?」
パァンッと銃声が鳴り響いたと思ったら、胸を貫く痛み。
彼を下敷きにして倒れこんだ。
「っ、A…っ!?」
慌てたような彼の声が聞こえる。
ダメだろ、その名で呼んじゃ。
あんたは今バーボンなんだから。
あの時と同じ痛みが、思考を低下させる。
体が動かない。
口の中は鉄の味でいっぱいだった。
まだ意識があるということは、あの時とは違って心臓命中は避けられたようだ。
素早く起き上がったバーボン…いや、零さんは俺を引きずって、隠れるように窓の下の壁に身を隠す。
「しっかりしろ…！」
『…へ、いき…、この、痛みも、慣れた…もんだよ』
へらっと笑うも、上手く笑えているかも分からない。
前の世界でも生傷は絶えなかったが、こっちの世界に来てからは更にだ。
約束、したのにな。
もう彼に、誰も失わせないって…。
「今救急車呼んでやる…、待ってろ」
『…だめ、だよ…。あの男、見られる…』
さっきまでバーボンが尋問していた男を救急隊員に見られでもしたら、零さんの立場が危うい。
「そんなこと言ってる場合か…！」
『もう、たぶん無理だから……、早く、行って…』
「ふざけるな！」
頑なに、零さんは俺のそばを離れようとしない。
ああ、やばい。
意識が朦朧としてきた。
大切な人達が、俺を守って死んでいった。
でも…。
『…俺も、ようやく……大切な人、守れたんだ…ね――…』
最期に、貴方を守れてよかった…。
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優(プロフ) - わかりました！返信ありがとうございます！ (2019年5月8日 7時) (
レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 優さん» コメントありがとうございます！この作品は、主人公受けとなっております！ですが、細かい描写はございません。 (2019年5月7日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - これって、黒瀬さんと零さん、どっちがネコとかありますか？ (2019年5月7日 2時) (レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 報告ありがとうございます！！確認不足でした...！修正させていただきました！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告：247話 - 真純ちゃんの純の字が、澄になってます。 (2019年4月30日 17時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年4月10日 21時
