224話 ページ25
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あれから何の異変もなく、半月が過ぎようとしていた。
たまに帰ってくる零さんも至って前と変わらず普通だ。
バイトを終えた頃には、外はすっかり暗くなってしまっていた。
今日零さんは帰ってくるのだろうか。
ここのところ組織の仕事が忙しいようだったし。
さすがに暗くなると昼間とは違い、米花町も静けさを増す。
いつもならまっすぐ帰宅しているところだが、なんだかざわざわと落ちつかなかった。
また事件か何かに巻き込まれるんじゃないだろうな…。
足が止まったのは廃ビルの前だった。
幽霊でも出そうな、普通なら誰も近づかないそのビルに、俺は半ば誘われるように足を踏み入れた。
「うぅ…」
男の呻き声のようなものが聞こえ、階段を上る。
もしかしたら誰か監 禁されているのかも。
それとも、殺されようとしている…。
ならば助けなくては。
警察官としての信念が俺の足を止めず、体を動かす。
階段を上って気配のする奥の部屋をそっと覗き込む。
『っ…』
そこには、椅子に手足を縛り付けられ座らされた息も絶え絶えな男の姿があった。
そして、そんな男に銃を向けている帽子を目深に被った男の後姿には見覚えがあった。
「さっさと吐いてくれませんかね…。その方が楽になるのに」
冷酷な声。
前にも一度、彼を見たことがある。
ベルツリー急行でのことだ。
花見のときは変装をしていたし。
バーボン。
黒ずくめの組織の探り屋。
「言わないようなら、貴方の家族に危害が及ぶだけですよ」
「やっ、やめてくれ！それだけは…！」
「なら教えてください。組織に渡すはずだった例の物はどこに？」
演技だと分かっていても、普段とは違う姿の彼にゾクリと身が震える。
その雰囲気に気圧されたのか、男はガチガチと歯を鳴らしながら観念したように情報を吐いた。
「なるほど。ありがとうございます」
にこりと笑った後、バーボンは男の首裏を拳銃で殴り気絶させた。
そして、耳につけていたイヤホンを押して話し出す。
「ジン、終わりました。…ええ、彼の自宅の屋根裏だそうです。……もちろん、始末しましたよ。僕の仕事はここまでです。では」
相手はあのジンだったようだ。
ピッという電子音のあと、バーボンは拳銃を懐にしまった。
「さて…、どうしているんです？黒瀬さん」
やっぱり、気づかれていたようだ。
そして俺を“黒瀬さん”と呼ぶ。
彼はまだ、組織の人間、バーボンらしい。
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優(プロフ) - わかりました！返信ありがとうございます！ (2019年5月8日 7時) (
レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 優さん» コメントありがとうございます！この作品は、主人公受けとなっております！ですが、細かい描写はございません。 (2019年5月7日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - これって、黒瀬さんと零さん、どっちがネコとかありますか？ (2019年5月7日 2時) (レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 報告ありがとうございます！！確認不足でした...！修正させていただきました！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告：247話 - 真純ちゃんの純の字が、澄になってます。 (2019年4月30日 17時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年4月10日 21時
