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2593話 黒鉄の魚影 ページ44






『……これだけ』



何とか波から逃れ、コナンを陸にあげた俺は彼の腕時計を借り、ライトをつけて再び海へと潜った。


残されていた車はもぬけの殻で、車内には哀が着ていたと思われる子供サイズの上着だけが残されていた。





海から上がり、岩場に座り込んでいたコナンにその上着を渡す。





「………くそ!」


悔し気に、コナンはその上着を握りしめた。






……哀に“守るから”、なんて言っておきながら結局このザマだ。



自分の意思で、守りたいものを守る。


そう心を入れ替えたところで、結局この世界の大きな力には抗えない。

物語の展開を変えないように、なんて必死になっていたけど…元からそんなこと、俺にはできなかったのかもしれない。




今まで気を張っていたことも…全部杞憂だった。


この世界では、俺はやっぱり無力で、守りたいものの選択すらできないんだ。







「……行こう」


少しして、コナンが立ち上がる。




いつまでもくよくよはしない。
それが彼だ。




小さな彼の背中に続いて岩場を歩いていると、息を切らした博士が駆け寄ってきた。





「……そ…そんな…」


俺とコナンの様子を見て、博士はその場に膝を付く。





「どうして……、哀くん……」


震える声で彼女の名を呟き、涙を流す博士。





【この子は特別なんじゃ。ワシの子供ではないが、誰よりも大切な子なんじゃ。ワシにはたった1人の家族なんじゃ!】



あの日、哀のことをそう言っていた博士の声が頭を過ぎる。




血は繋がっていないけど、家族。

哀にとっても博士にとっても…その関係がどれだけ大切なものなのか、俺も知っている。





「博士」


声を押し殺して泣く博士をコナンが決意の籠った目で見つめた。








「灰原は…俺がぜってぇ連れ戻す」








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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - ソラさん» 金曜ロードショーも楽しみですね!黒鉄は何度見ても面白いです!男主の動きもどうぞ楽しみにしていてください! (4月8日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 黒鉄の魚影が19日、金曜ロードショーでやると聞き、久しぶりに買った円盤を見直しました!安室さん!尊い!青山先生ありがとう!顔が良い!しゅき!とまあ、終始叫んでました(⟵重症)これに夢主がどう絡んでいくのかドキドキが止まりません!続きが楽しみです! (4月7日 19時) (レス) id: 4a3bab874f (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ここから物語が大きく動きますからね…!私も試行錯誤しながら書きましたので、どうぞお楽しみください! (3月27日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - これからの事を考えると黒瀬くんがどう物語に関わってくるのかドキドキします。本当に楽しみです! (3月27日 8時) (レス) @page36 id: e8b24c39c7 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ソラさん» 鉢合わせてしまいましたね…!今後をお楽しみに…! (3月14日 14時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2024年2月18日 20時

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