【名探偵コナン】異世界の訪問者49《男主》

2592話 黒鉄の魚影 ページ43

『っ…』



呼吸の限界がきて、俺とコナンは1度海面へと浮上した。




『っは…、はぁ…っ』

「はぁ…っ、はぁ…」


コナンと共に呼吸を整え、周囲を見渡す。



気配はまだある。


どこかにいるはず――…いや、…これは……。





「灰原！灰原ーー!!」


コナンが懸命に叫ぶ隣で、俺は海の中を見つめる。





なんだ…？
人の気配がたくさん…近づいてきている…。





「…Aさん、なんか…変な音、聞こえねぇか？」

『…音？』


コナンに言われて耳を澄ますと、確かに地響きのような低い音が聞こえてきた。




俺とコナンは再び息を吸い、海の中へと潜る。




この音と近づいてくるたくさんの気配はなんだ……？





眉を顰めながらもコナンが照らす光の先を見つめていると、あるものが見えた。




『っ!?』


慌ててコナンの手首を掴み、海上へと急ぐ。






真っ黒な海の底。
その黒と同化するように動いていた鉄の塊。







『っ、は、まずい…！逃げろ！』


海上に顔を出し、コナンを連れて陸へと急ぐ。




その背後に――…大きな水飛沫を上げて浮上してきたのは黒くどでかい潜水艦だった。





「…マジかよ」



呆然としたコナンの呟きが聞こえた直後、潜水艦の浮上の衝撃によって起こった波が俺たちに襲い掛かった。






『息吸って!!』


逃げきれないと察し、コナンにそう叫んで彼の体を離さないように抱きしめる。





大きな波が俺たちの体を覆うように襲い掛かった。







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