【名探偵コナン】異世界の訪問者49《男主》

2584話 黒鉄の魚影 ページ35

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『え？あれ？なんで？』


部屋に戻ってスマホを充電器に繋いだが、うんともすんとも言わない。


電源ボタンを長押ししても画面が着く様子はなかった。




まさか…壊れた…？

……博士に聞いてみるか、とスマホ片手に部屋を出た。





『哀ちゃん。どこ行くの？』



部屋を出たところで哀と遭遇し、声をかけた。





「…尾行よ」

『尾行？』


首を傾げると、哀は廊下の先を指さした。


そこには、ちょうど角を曲がって行ったコナンと博士の姿があった。






「2人してコソコソしてたから」

『…じゃあ、俺も尾行しよーっと。博士に用もあるし』


哀の尾行に便乗し、俺も2人の後を追うことにした。





ホテルを出て、2人は暗い道を進んでいく。


辿り着いた洞窟の先にあったのは、海が一望できる岸壁に設置されたベンチだった。

哀と少し距離を置いて立ち止まり、洞窟の陰に隠れて2人の会話を盗み聞く。



会話の内容は、パシフィック・ブイでの出来事だった。


組織が絡んでいる可能性をコナンが示唆すると、隣にいた哀の眉間に皺が寄る。




流れに任せて哀とここに来てしまったけど、彼女に聞かれたらマズい話だったかもしれない。






「…それは本当に組織の仕業なのか？」

「俺はそう思ってる」



コナンがそう言ったとき、哀が一歩踏み出し、彼らの元へ向かっていった。






「なるほど。そういうことだったのね」


哀が声を発すると、コナンと博士はビクッと肩を震わせ、勢いよく振り返った。




コナンはすぐに冷静さを取り戻すと、真剣な眼差しで哀を見つめた。





「どっから聞いてた？」

「女性エンジニアが攫われたってとこから」




つまり最初から全部だ。


哀の後ろから現れた俺を、コナンはジトっと睨んだ。









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