2580話 黒鉄の魚影 ページ31
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夕方になり、臨場要請していた警視庁から目暮警部と佐藤刑事がヘリでパシフィック・ブイに降り立った。
カフェテラスで行われている事情聴取に、当然のようにコナンは聞き耳を立てに行った。
俺もテラスにはいるが、離れた距離でその様子を見つめる。
「ここ、いいか」
『えっ』
頬杖をついて行われている聴取を見つめていると、声をかけてきたのは黒田管理官だった。
『あ、はい。どうぞ』
思わず手を下ろし、背筋を伸ばす。
「ありがとう。楽にしていてくれて構わない」
そう言って黒田管理官は俺の向かいの席に座った。
『…終わったんですか?事情聴取』
黒田管理官は白鳥警部と共にレオンハルトとエドの聴取を行っていたはずだ。
「ああ。大した聴取は取れなかったがな」
『…そうですか』
こうして2人きりになることは初めてなので、なかなかに気まずい。
「やつには言っているのか?ここにいること」
『え』
話しかけられ、パッと顔を上げた。
『やつ、というと…?』
「…バーボンだ」
黒田管理官からその名が出て、思わず体を硬直させてしまう。
『…八丈島に行く、とはメッセージで伝えてましたけど…ここにいる、とは』
そもそも忙しそうだったから、八丈島に行く件も既読がついているか微妙だ。
さっき俺と会ってかなり驚いていたようだから、知らなかった可能性が高いが。
…いや、八丈島にいることは知っていても、パシフィック・ブイにいるなんて向こうからしたら想定外だろう。
『…ずっと気になっていたことを聞いてもいいですか』
この際だから聞いてみよう、と黒田管理官を見やった。
「ああ。なんだ」
『…あの人をバーボンって呼ぶってことは…黒田管理官はやっぱり…公安の人間、ですか』
その質問をした後、相変わらず感情の読めない厳しい表情で黒田管理官は俺を見つめた。
「……部下を潜入先の名前で呼ぶのが癖でね」
『!』
部下。
…やはりこの人は、零さんの直属の上司…。
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096 - ソラさん» 金曜ロードショーも楽しみですね!黒鉄は何度見ても面白いです!男主の動きもどうぞ楽しみにしていてください! (4月8日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 黒鉄の魚影が19日、金曜ロードショーでやると聞き、久しぶりに買った円盤を見直しました!安室さん!尊い!青山先生ありがとう!顔が良い!しゅき!とまあ、終始叫んでました(⟵重症)これに夢主がどう絡んでいくのかドキドキが止まりません!続きが楽しみです! (4月7日 19時) (レス) id: 4a3bab874f (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ここから物語が大きく動きますからね…!私も試行錯誤しながら書きましたので、どうぞお楽しみください! (3月27日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - これからの事を考えると黒瀬くんがどう物語に関わってくるのかドキドキします。本当に楽しみです! (3月27日 8時) (レス) @page36 id: e8b24c39c7 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ソラさん» 鉢合わせてしまいましたね…!今後をお楽しみに…! (3月14日 14時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2024年2月18日 20時