【名探偵コナン】異世界の訪問者49《男主》

2577話 黒鉄の魚影 ページ28

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ドライデッキの中には、中身が散乱した清掃カートが転がっていた。

人の姿はない。



「ここから海へ出られるんですね？」

「ええ。部屋を海水で満たして外と水圧を合わせたら…。でも、この先は海です。1番近い八丈小島でも5キロ以上はある。直美は一体どこへ…」



意識を失わせたとしても、人を抱えて5キロ泳ぐのは無理だ。


近くに船を待機させていた…、あるいはもっと別の逃走手段を用意していた…。





「この扉の制御権限は誰に？」

「このハッチは直接開けられますが、海側のハッチを開けられるのは私と…あとは先ほど紹介したエンジニアたちだけです」

『つまりその中に、直美さん拉致の逃亡を手助けした共犯がいる可能性があるってことですね』

「…ええ。…ですが……」


その可能性を牧野局長は考えたくないようだ。




「とにかく、警視庁に臨場要請します」


そう言って白鳥警部はドライデッキを出て連絡を取りに行った。








バーボンとベルモットは直美さんがトイレにいることまで知っていたんだろう。


あのときトイレに向かう直美さんを見送ったのは俺とコナンとグレースさん…。



だが、この施設内をカメラで監視していて、トイレに入った彼女を見ていた人物がいる可能性も考えられる。




いずれにせよ…、この先良くないことが起こるのは確実だろう。





バーボンがいるなら、直美さんが殺される可能性は少ないと信じたいが…。







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