【名探偵コナン】異世界の訪問者49《男主》

2571話 黒鉄の魚影 ページ22

「他にも様々な技術が使えます。その1つ、直美が作った“老若認証”をさっそくテストします」


牧野局長がキーボードを操作すると、モニターに老若認証の文字が映し出される。



「私は、イタリア人の父と日本人の母の間に生まれ、アメリカで育ちました。私の子供の頃の写真でテストします」


モニターに映し出されたのは、家族の集合写真。

真ん中に映る少女が直美さんだろう。


その顔にスキャナーが表示され、他の写真に写る彼女の顔も読み込まれていく。




「骨格から老化や若返りを計算し、その顔をCGで作り、それと合致する顔を顔認証で捜す。これが、老若認証です」


防犯カメラの映像の何個かがヒットし、アップで映し出される。




「今日、警察庁からここに来るまで防犯カメラに映った私です」


幼少期の写真から成長を予測して、システムは見事に直美さんを捜し当てた。





「長期の逃亡者や誘拐の被害者を世界中で追うことができるシステムです」

「すごい…。すごいシステムだ…」


圧倒されたように、隣で白鳥警部が呟いた。





確かにすごい技術だ。

…でも。




コナンをちらりと見やる。




彼は真剣な眼差しでモニターを見つめていた。



このシステムがあれば…コナンや哀が同一人物だということが分かってしまう可能性があるかもしれない。


それに、組織にこのシステムの存在が知れれば、NOCを捜す目的でも使えてしまう。

警察庁に出入りしているバーボンの姿が見られてしまえば――…。



俺だって、バーボンのお気に入りというだけで見逃してもらっている立場だ。

もし、警察と一緒に行動していているところを見られたら…俺だけじゃなく、零さんまで消される。




……凄い技術なだけに、俺たちのような人間にはリスクがありすぎる代物だ。






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